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こんなに進化したブレードサーバー

IBM BladeCenterが実現する高い信頼性と稼働率

2008年09月08日 19時08分更新

文● ネットワークマガジン編集部

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ブレードサーバーとシャーシの種類

BladeCenter H前面

BladeCenter H前面。最大で14台のブレードサーバーを搭載可能

BladeCenter H背面

BladeCenter H背面。冗長化された電源やネットワークスイッチ類を搭載する

 BladeCenterのラインアップを紹介しよう。シャーシには、7Uで最大14枚のブレードを搭載できる「BladeCenter E」は200V駆動でおもにデータセンター用。7Uで最大6枚のブレードと12台のHDDを搭載できる「BladeCenter S」は、100V電源での駆動も可能で、中堅中小企業のオフィスビル内のマシンルームでも運用できる。

 一方、BladeCenterのブレードサーバーには一般的なx86ベースのIAサーバーを中心に、いくつかのバリエーションがある。

■ BladeCenter HS21

HS21

BladeCenter HS21。クアッドコアもしくはデュアルコアXeonを2個搭載できる

 クアッドコアまたはデュアルコアのインテルXeonを最大で2個搭載できる汎用的なモデル。4つのDIMMソケットに最大16GBのメモリー、2.5インチのSAS HDDを2台まで搭載できる。

■ BladeCenter HS21 XM

HS21 XM

BladeCenter HS21 XM。HS21と比較して、メモリー容量を2倍に拡大している

 HS21のメモリー搭載容量を倍増させたモデル。8つのDIMMソケットで32GBまでのメモリーを搭載できるが、代わりにHDDは1台しか内蔵できない。クアッドコアまたはデュアルコアのインテルXeonを最大で2個搭載できる。大量のメモリーが必要だが、ストレージは外部にあればよいWeb用のアプリケーションサーバーなどに適している。

■ BladeCenter LS21

 デュアルコアAMD Opteron 2000シリーズの低電圧版を最大2個搭載できるブレードサーバー。8つのDIMMソケットに32GBまでのメモリー、2.5インチのSAS HDDを1台搭載できる。

■ BladeCenter LS41

 デュアルコアAMD Opteron 8000シリーズを最大4個搭載できるブレードサーバー。導入時にはLS21と同じ厚みで2個のソケットを搭載した状態だが、より高い性能が必要になったら、2ソケットのブレードを追加装着し、4ソケットへアップグレードできる。ブレード間はHyperTransportで接続される。4ソケットの状態では16個のDIMMソケットで最大64GBのメモリーを搭載できる。

■ BladeCenter JS21

 IBM が開発したRISCプロセッサー「POWERPC 970MP」を2個まで搭載できるブレードサーバー。IBMのUNIXであるAIX 5Lや、SUSE Linux Enterprise Server、Red Hat Enterprise Linux ASなどのOSをサポートする。UNIX上で動作するアプリケーションを使用する場合やHPC用途向けの製品だ。

■ BladeCenter QS21

 IBMがソニーや東芝と共同で開発した「Cell Broadband Engine」(Cell/B.E.)を2個搭載したブレードサーバー。Cell/B.E.は、1つのPowerPCコア(PPE、PowerPC Processor Element)と8つのSIMD系プロセッサーコア(SPE、Synergistic Processing Element)を持つCPUで、PLAYSTATION 3に搭載されている。OSはRed Hat Enterprise Linux 5.1がサポートされている。

 8つのSPEによりきわめて高い演算性能を持つCell/B.E. は、HPCのほかにゲーム開発などでの利用を想定した製品だ。

3台以上なら同等の構成の1Uサーバーよりも割安に

 ブレードサーバーはいったん導入すれば、管理性が向上し、設置スペースを縮小できる。しかし、初回にシャーシを購入する必要があるため、導入時の壁が高い。

 ブレードサーバーを提供する各社は、システム全体で比較すれば、ブレードサーバーのほうがラック型よりも得になると主張している。たとえば日本IBMは、ラックマウント型サーバーを3台以上購入するのであれば、定価ベースでブレードサーバーのほうが得だという試算を示している(サーバーはどちらもクアッドコアXeon搭載機)。

 BladeCenterは、たとえばシャーシ、ブレードサーバー、スイッチモジュールのそれぞれ1台をセットで注文すると、通常価格よりも大幅に割り引いた特別価格で購入できるといったキャンペーンが頻繁に実施されているのも特徴だ。最小構成なら20万円以下になる組み合わせもあるという。また、追加のブレードサーバーとオプション製品を同時に購入すれば、通常価格から40%割り引かれる、といったキャンペーンも実施されることがある。

(次ページ「ワークステーションブレード BladeCenter HC10」に続く)

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