PCやサーバーは多くの部品から構成されており、性能を単純に評価できない。本特集では、次々と投入される新技術や仕様を理解するために必要な知識を、パーツごとに紹介していく。
- 第1回 5分で丸分かり! PCアーキテクチャーの基本
- 第2回 統合進化するCPUとチップセット
- 第3回 グラフィックスアクセラレーターは描画専用から汎用へ
- 第4回 メモリーの種類と転送方式を押さえる
- 第5回 低価格化著しいストレージとフラッシュメモリー
- 第6回 ワイヤレスが熱い! ネットワーク
本記事はネットワークマガジン 2008年2月号掲載の特集記事に一部加筆修正して転載したものです
PCアーキテクチャーは、CPU以外の主要な機能が「チップセット」に集約されており、CPUとチップセットで基本的な機能が決定する。PCの構成図を描くと下図のようになる。メモリーコントローラーハブとI/Oコントローラーハブがチップセットに相当する。最近ではサードパーティーのチップセットベンダーが少なくなったため、CPUとチップセットの組み合わせはそれほど多くない。メモリーアクセス速度など、性能に影響する主要なパラメーターはチップセットで決まるため、CPUとチップセットで基本的な性能は判断できてしまう。
CPUとチップセット以外で性能に影響するコンポーネントには、グラフィックス機能やネットワークなどがある。リストアップすると、
- CPU(およびチップセット)
- グラフィックス
- メモリー
- ストレージ
- ネットワーク
となる。ほかにもUSBのようなインターフェイスやサウンド機能などがあるが、性能に直接関係しないのでここでは省略する。
各コンポーネントの動向概要
まずは全体を概観するために、各コンポーネントの最近の動向についてざっと見ていこう。
●CPU
CPUは数年前まで高クロック化によって性能を向上してきたが、現在ではマルチコア化による性能向上が主流となっている。マルチコアのCPUがフルに性能を発揮するためには、メモリーの性能も重要になる。そのため、これまでチップセット内にあったメモリーコントローラーを、CPUに内蔵するスタイルが主流となっている。
また、もう1つの方向性として、低消費電力化、高効率化がある。低消費電力化への要求はサーバー/クライアントを問わずに強く、CPUやチップセットのレベルで高い効率が求められている。
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