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IBM BladeCenter S内蔵のSAS HDDをRAIDにできるオプション登場

真のオールインワンブレードが誕生

2008年09月30日 22時05分更新

文● 新 淳一/ASCII.jp

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BladeCenter S

オールインワンタイプのIBMのシャーシ「BladeCenter S」

 ブレードサーバーのエンクロージャー(シャーシ)には、各社各様の製品があるが、中でもIBMの「BladeCenter S」は比較的小型で、100V電源に対応し、しかも1つの筐体内にブレード(最大6枚)のほか、スイッチモジュール(最大4個)やHDD(最大12個)までオールインワンに格納できるユニークな存在だ。省スペース性を求めるユーザーたちの強い味方でもある。実はアスキー・メディアワークスにも導入されていたりする(関連記事)。

 ただ、BladeCenter Sに内蔵するストレージは、RAID 5構成にできない。RAID構成にしたければ、外付けのストレージを用意してファイバーチャネルなどで接続する必要があるのだ。外付けの機器が増えては、せっかくのオールインワンもちょっぴり残念なことになる。

SAS RAIDコントローラー

IBM BladeCenter SAS RAIDコントローラー・モジュール

 9月30日に発表された「IBM BladeCenter SAS RAIDコントローラー・モジュール」はBladeCenter Sの弱点を補う、専用のオプション製品だ。モジュールにより、BladeCenter S内に搭載したSAS HDDの共有機能やRAID機能を追加できる。価格はモジュール1個あたり36万7500円。ただし、1台のBladeCenter Sにつき2個のモジュールがいるので、実質は倍の費用がかかる。とはいえ、日本IBM広報部によれば、従来のように外付けでファイバーチャネルによる共有システムを構築した場合(DS3000シリーズ製品)に比べ、約3割ほど安価に同等のシステムが組めるという。

 SAS RAIDコントローラー・モジュールは、RAID0、1、5、0+1に対応。また、RAIDコントローラー自体にバッテリーを内蔵するので、たとえ電源にトラブルがあった場合でも、最大72時間、電源が供給される。ストレージ側のキャッシュと実データの不整合が起きないようにできるわけだ。

 また、SAS RAIDコントローラー・モジュールの設定、管理には、BladeCenter S用の管理ソフト「BladeCenter Sストレージ・マネージャー」が利用できる。画面上に表示される筐体のイメージを見ながら、BladeCenter S自体を操作する感覚で、ストレージのボリューム管理、SAS RAIDコントローラーの構成やゾーニング管理などの作業ができる。

 SAS RAIDコントローラー・モジュールの出荷開始は2008年10月24日の予定。なお、広報部によれば、あわせて750GBのSAS HDDも発売し、最大9TBの共有ストレージをBladeCenter Sに搭載できるようになるという。

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