IBMのブレードサーバーシリーズ「BladeCenter」は、最近のサーバー統合のニーズに合わせて、ラインアップが強化されている。サーバー統合プラットフォームに必要となる高い信頼性と稼働率を実現しているBladeCenterの特徴を見ていこう。
本記事はネットワークマガジン 2007年12月号掲載の特集記事に一部加筆修正して転載したものです
BladeCenterはIBMの戦略商品
IAサーバーが市場の主流になり、コモディティー化したことで、企業は業務拡張のペースに合わせて、次々とサーバーを導入するようになった。しかし、大量のサーバーが企業内に点在する結果になり、管理者の負担が増大してしまった。一方で、サーバーが必ずしも有効利用されていない状況にあり、ムダに電力が消費されている。サーバーの集約・統合が必要になっている。
IBMはブレードサーバーを「サーバー統合のプラットフォーム」に位置づけていたため、他社のようにサーバーの台数を増やして処理能力を高める「スケールアウト」用にはブレードサーバーを発売していなかった。そのため、BladeCenterはインテルとの共同で基本設計するなど、ブレードサーバー市場の後発組から脱却すべく、スケールアウト用の戦略商品として念入りに開発されている。
現在のブレードサーバーは、シャーシ(エンクロージャー)のサイズや形状がベンダーごとに異なり、互換性のないプロプライエタリな製品である。だが、BladeCenterは将来の標準化・オープン化まで視野に入れて開発されているという。たとえば、IBM以外のブレードサーバーでは、OEM供給を受けたネットワーク機器に、ブレードサーバーメーカーのロゴを付けて販売することが多い。一方、BladeCenterに装着するネットワーク機器には、「Cisco」や「Voltaire」など、ネットワーク機器メーカーのロゴが付いているおり、IBMの「BladeCenter」という「規格」に、各社が製品を対応させた、という形になっている。シャーシに搭載するネットワーク機器などは、すでにオープン化一歩手前まで来ているわけだ。
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