中小企業や大企業の部門単位を中心に超低価格のサーバーが人気を集めている。最小構成では1万7000円程度という驚愕のキャンペーン価格も飛び出す「超低価格サーバー」の実力を探ってみよう。
本記事はネットワークマガジン 2008年5月号掲載の特集記事に一部加筆修正して転載したものです
部門で使うのにちょうどいい
超低価格サーバーは何に使えるのか。そもそも、本当にサーバーとして使えるのか。「超低価格」だからこそ浮かんでくる不安について、NEC 販売特約店「PCテクノロジー」のITサービス事業部ソリューションビジネス部長 山崎康之氏と、秋葉原にあるNECのショールーム「クラサバ市場 秋葉原店」の店長でNECのクライアント・サーバ販売推進本部マネージャーでもある遠藤正仁氏に話を聞いた。場所は、秋葉原にあるNECのショールーム「クラサバ市場 秋葉原店」だ(最終ページのコラムも参照のこと)。
山崎氏によると、Express5800/110Gd(※1)は、SOHOなどの小規模事業者や、中・大規模企業の部門レベルで導入されるという。中・大規模企業では、社外向けのWebやメールサーバーといった基幹システムは情報システム部門が運営している。しかし、ファイルサーバーやグループウェア、営業支援ツールであるSFA(Sales Force Automation)などは、部門レベルで自由に使いたいという要望があるそうだ。Express5800/110Gdを代表とする低価格なタワー型サーバーは、部門レベルで検討するのにちょうどいいというわけだ。
※1 編集部注:インタビュー時、現行機種Express5800/110Geは未発売であったため、一世代前のモデルをもとに語られています。スペックや価格に若干の違いはありますが、本質的には現在にも通じると判断し、以下、注意書きを補う形で掲載します。
基幹サーバーには、ラックマウントサーバーを利用するのが一般的だ。また、より設置密度を上げるため、ブレードサーバーを導入する企業も増えている。しかし、どちらもラックが用意されたサーバールームでなければ設置できない(一部のブレードサーバーであればオフィス内に置けなくもないだろうが、サイズ、価格ともに“大げさ”になる)。サーバールームは情報システム部門の管轄なので、ラックマウントサーバーの導入には、情報システム部門への根回しや稟議が必要となる。一方、タワー型サーバーであれば、部署内に設置できるため、手間のかかる稟議は不要だ。
加えて重要なのが価格だ。部門長の決済額を超える価格になると、やはり稟議だなんだと、導入のハードルはグンと高くなる。しかしExpress5800/110Gdならば、HDDレスの最小構成にした場合、1万4700円(キャンペーン価格)になる(※2)。Windows Server 2003込みでも10万円を切る構成が可能だ。
※2 現行モデルExpress5800/110Geの場合、9月26日まで実施されていたキャンペーン価格がHDDレスの最小構成で1万7325円(残念ながら、9月30日現在、キャンペーンは実施されていない)。80GBのHDDとWindows Server 2003を付けても9万9750円だった。
(次ページ「安かろう悪かろう?」に続く)