「初期導入コストが高いのではないか」、「特別なフォームファクタだから、扱いが難しいのではないか」。このような理由で、ブレードサーバー導入に二の足を踏むユーザーが多いと聞く。だがブレードサーバーはハイペースで進化を続けており、上記の理由は、もはや当てはまらない。各社の最新製品で、その点を確認してみよう。
本記事はネットワークマガジン 2007年12月号掲載の特集記事に一部加筆修正して転載したものです
ブレードサーバーは、CPUやメモリ、HDDなど一般的なサーバーと同等の部品を小型の筐体に搭載し、この筐体を「シャーシ」や「エンクロージャー」と呼ぶケースに収めるタイプのサーバーだ。タワー型、ラックマウント型に続くサーバーの第3のフォームファクタ(形状)として注目を集めている。ちなみに「ブレード(Blade)」という名称は、初期のブレードサーバーの形状が刃のように薄くて細長かったことに由来する。
ビジネスの拡大にともない、企業が使用するサーバーの台数は増加し、また設置場所もあちこちに分散してしまう傾向にある。これにより、IT管理者の負担増や管理コストの上昇といった問題が生じている。また、近年の企業統治という概念の広まりにより、サーバーのように重要な機器は1カ所でまとめて統合管理したいという需要が出てきた。
限られたスペースで大量のサーバーを効率よく管理し、なるべく消費電力も抑えたい。現在のブレードサーバーは、このような要求に応えるための製品といえる。
初期のブレードサーバーは「スケールアウト」、すなわちサーバーの台数を増やすことに重点をおいており、1Uのラック型サーバーと同等のスペースに6~8枚ものブレードを搭載できる製品もあった。その代わり1台あたりのサーバーの性能や拡張性は限られていた。
その後ブレードサーバーの筐体は大型化し、ラック型のサーバー並みの部品を組み込めるようになってきた。また同時期にCPUのワットあたりの性能が向上するとともに、デュアルコア、クアッドコアといった高性能なCPUもリリースされ、これらがブレードサーバーにも搭載できるようになったことで、単体の性能は大幅に向上した。
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