この連載は江渡浩一郎、落合陽一、きゅんくん、坂巻匡彦が週替わりでそれぞれの領域について語っていく。今回はきゅんくんが自身の作品と不健全なギークを絡めて退廃的な世界を描く。
きゅんくん
ロボティクスファッションクリエイター、メカエンジニア。1994年東京都生まれ。機械工学を学びながらファッションとして着用するロボットを制作している。高校生の頃より「メカを着ること」を目標にロボティクスファッションの製作を続け、2014年よりウェアラブルロボットの開発を進めている。
http://kyunkun.com/
ウェアラブルロボットは、ファッションのみとしても存在して良いはずである
ロボティクスファッションクリエイター/メカエンジニアのきゅんくんです。ファッションとしてのウェアラブルロボットを個人で開発しております。
この度、私きゅんくんと、メディアアーティスト/筑波大助教の落合陽一さん、メディアアーティストの江渡浩一郎さん、プロダクトデザイナー/コルグの坂巻匡彦さんの4人で持ち回り連載をさせていただくことになりました。
よろしくお願いします。
私はここ数年、肩からロボットアームが生えるタイプのウェアラブルロボット「METCALF(メカフ)シリーズ」を開発、発表しています。この連載ではMETCALFシリーズなどを使用した撮り下ろしの写真作品を掲載していきます。
連載通して撮影していただくのは写真家の荻原楽太郎さん。今年3月に私が発表したウェアラブルロボット「METCALF clione(メカフクリオネ)」のスチール写真と映像を撮影した写真家です。
連載では“コンビネーション”をテーマに写真を撮っていきたいと考えています。初回はコギタナイ部屋のギークと、そのアンドロイド、という設定で撮影を行ないました。
漫画「攻殻機動隊」の中で素子が「こんなクサくてコギタナイ部屋でフェラーリより高価なお人形さんと暮らしてるなんて不健全よ」とギークに呼びかけるシーンがあります。私はこのセリフが好きで、その不健全なギークにどうしても憧れてしまいます。これを現実のものにできないかと今回撮影を敢行しました。
モデルはしらい氏、不健全なギーク役は私ができれば良かったのですが、写真家の荻原氏の風貌が余りにそれらしいので、彼に撮影と出演を兼ねてもらいました。とはいえせっかくの機会なので、私きゅんくんバージョンも撮っていただきました。それも最後にちらりとお見せします。
なお今回、修理中をイメージしてMETCALF clioneの片アームの外装を一部外してみました。
汚くて、ケーブルやジャンク品、工具、PCがあちらこちらに転がっている作業部屋には異様な魅力があります。転がっているというのは他人からみた表現で、本人からすると生活しやすいモノの配置だとなお良いですね。
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