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ASCII Power Review 第266回

11月下旬発売開始です!!

ついに発売!! キヤノンの最上位ミラーレスカメラ「EOS R1」徹底実写レビュー

2024年11月08日 08時00分更新

文● 写真 岡田清孝 + 編集● ASCII PowerReview軍団

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 キヤノンのフルサイズミラーレス機のフラッグシップモデルとなる「EOS R1」がついに11月下旬に発売となる。同時に発表された「EOS R5 MarkⅡ」からは3カ月遅れになるが、その間に開催された世界規模のスポーツ大会で最終調整がおこなわれたはずなので性能には期待が持てる。

“キヤノン「EOS

キヤノンのフラッグシップの証である「1」のナンバリングが与えられた初のミラーレス機。11月30日発売予定だ。

 量販店ではボディー100万円超と国産フルサイズ機最高峰の価格になるが、キヤノンから実機を借用できたので、カメラ好きなら誰もが憧れるフラッグシップモデルの撮り心地を試してみた。

究極の高速性をつきつめた
キヤノンEOSのフラッグシップだ
 

 ボディーはデジタル一眼レフ時代のフラッグシップ「EOS-1D」シリーズと同様にバッテリーグリップ一体型だ。撮像素子はもちろん動体歪みが少ない積層型だが、画素数は大方の予想に反し2420万画素と従来のハイエンドモデル「EOS R3」と同等である。おそらく高画素化より高速性や高感度画質などを考慮しての判断だろう。なお連写速度は「EOS R3」の秒30コマから40コマに向上している。

 粘り強いトラッキングや被写体検出、視線入力といった定評のあるAFはもちろん、画素数を4倍に拡大する「カメラ内アップスケーリング」や、カメラ内RAW現像で低ノイズの高感度画像を生成する「ニューラルネットワークノイズ低減」など最新の機能も搭載されている。

“キヤノン「EOS

ボディーは「EOS R3」に似たデザイン。サイズは157.6(W)×149.5(H)×87.3(D)mm、重量1115g(撮影時)。「EOS R3」は150(W)×142.6(H)×87.2(D)㎜、重量1015gなのでわずかに大きい。

“キヤノン「EOS

手にして見た最初に気付くのがグリップの握りやすさ。細身になり形状も改良され手によく馴染む。従来機と異なるクロスパターンになった張り革も滑り止め効果があり、ホールド感向上に一役買っている。

 
“キヤノン「EOS

「EOS R3」に近いボタン配置で、左肩にドライブや測光モードの切換ボタンを装備している。

“キヤノン「EOS

液晶パネルには露出系と各種撮影機能の設定を切り換えて表示することができる。

“キヤノン「EOS

コマンドダイヤルやコントローラーボタンも上下に配置され、縦位置でも横位置と同様の操作が可能。

“キヤノン「EOS

944万ドットのEVFはファインダー倍率も0.9倍と像が大きく、接眼部も巨大で覗きやすい。

“キヤノン「EOS

EVF倍率は縮小表示(0.8倍と0.7倍が選べる)も可能でメガネユーザーにもやさしい。

“キヤノン「EOS

キヤノンRシリーズはすべてバリアングル式背面液晶を採用しているが、3軸などが主流になりつつある現状では少し物足りない。

“キヤノン「EOS

上面のホットシューは通信や一部機器で電源供給可能な「マルチアクセサリーシュー」。

“キヤノン「EOS

メディアはCFexpress Type Bのデュアルスロット。

“キヤノン「EOS

側面端子類。フルサイズHDMIやシンクロ接点、LAN端子も備える。

“キヤノン「EOS

バッテリーは「EOS R3」や「EOS-1DX MarkⅢ」と共通の大容量「LP-E19」を採用。公称撮影可能枚数はファインダー撮影で約700枚/背面液晶撮影で約1330枚(省電力優先設定時)だが、連写メインで撮影したところ3000枚超撮影して残量50%以上ということも。かなりのスタミナを実感した。

毎秒40コマの世界
プリ連写がありがたい
 

 AFは被写体検出にくわえ、「EOS R3」から採用されている視線入力、「EOS R5 MarkⅡ」から採用された特定の人物や競技によるアクションを優先検出するといった機能が盛りだくさん。動いている被写体を撮影してもいとも簡単にピントを合わせてくれ、まるで自分が上達したのではと錯覚をしてしまう。

 連写も電子シャッターで解像度や画質モードの制限無く最高秒40コマが可能。最大20コマ(0.5秒)までシャッターを押す直前にさかのぼって記録するプリ連写も可能だ。

“キヤノン「EOS

飛んでいる鳥を撮影してみてもピントはバッチリ。使用レンズ「RF100-500mm F4.5-7.1」、絞りF7.1、シャッタースピード1/250秒、ISO800。(以下、写真をクリックすると実物大で表示されます)

“キヤノン「EOS

秒40コマのプリ連写で撮影しているので、飛び立つ瞬間も写っていた。絞りF7.1、シャッタースピード1/2000秒、ISO10000。

“キヤノン「EOS

この写真もプリ連写で撮影。なかなか迫力のある写真が撮れた。使用レンズ「RF100-500mm F4.5-7.1」、焦点距離500mm、絞りF7.1、シャッタースピード1/2000秒、ISO6400。

“キヤノン「EOS

電車や飛行機も被写体検出の乗り物優先ならピントはカメラ任せでオーケー。使用レンズ「RF100-500mm F4.5-7.1」、焦点距離223mm、絞りF7.1、シャッタースピード1/250秒、ISO250。

“キヤノン「EOS

使用レンズ「RF100-500mm F4.5-7.1」、焦点距離300mm、絞りF7.1、シャッタースピード1/250秒、ISO800。

“キヤノン「EOS

メカシャッター

“キヤノン「EOS

恒例の電子シャッター動体歪みをチェックしたが、メカシャッターとの差は誤差と言っていいレベル。

“キヤノン「EOS

視線入力でピント位置を移動させてみた例。被写体を検出していれば、対象を素早く切り替えられる。

“キヤノン「EOS

手動で測距点移動させる際は、指先でなぞって操作するスマートコントローラーがオススメ。

2420万画素で
描画力はいかに
 

 画素数は2420万画素と最新のフラッグシップにしては控えめだが、そのぶん撮影した写真を見ると階調再現や高感度のバランスがよく画質的に不満は感じなかった。どうしても解像度が物足りないと感じるなら、今時ならアップスケーリングなど画像処理に頼るのも手だ。

“キヤノン「EOS

使用レンズ「RF24-105mm F4」、焦点距離105mm、絞りF4、シャッタースピード1/30秒、ISO400。

“キヤノン「EOS

使用レンズ「RF24-105mm F4」、焦点距離105mm、絞りF4、シャッタースピード1/25秒、ISO400。

“キヤノン「EOS

使用レンズ「RF24-105mm F4」、焦点距離105mm、絞りF4、シャッタースピード1/125秒、ISO100。

“キヤノン「EOS

使用レンズ「RF24-105mm F4」、焦点距離105mm、絞りF4、シャッタースピード1/50秒、ISO400。

“キヤノン「EOS

使用レンズ「RF24-105mm F4」、焦点距離105mm、絞りF4、シャッタースピード1/100秒、ISO100。

“キヤノン「EOS

使用レンズ「RF24-105mm F4」、焦点距離70mm、絞りF4、シャッタースピード1/200秒、ISO100。

“キヤノン「EOS

使用レンズ「RF24-105mm F4」、焦点距離105mm、絞りF4、シャッタースピード1/100秒、ISO160。

“キヤノン「EOS

使用レンズ「RF100-500mm F4.5-7.1」、焦点距離254mm、絞りF7.1、シャッタースピード1/200秒、ISO400。

“キヤノン「EOS

使用レンズ「RF24-105mm F4」、焦点距離65mm、絞りF4・シャッタースピード1/15秒・ISO100。

“キヤノン「EOS

使用レンズ「RF100-500mm F4.5-7.1」、焦点距離500mm、絞りF7.1、シャッタースピード1/250秒、ISO200。

“キヤノン「EOS

使用レンズ「RF100-500mm F4.5-7.1」、焦点距離428mm、絞りF7.1、シャッタースピード1/320秒、ISO12800。

“キヤノン「EOS

使用レンズ「RF100-500mm F4.5-7.1」、焦点距離324mm、絞りF5.6、シャッタースピード1/200秒、ISO400。

常用ISOは10万2400、拡張は40万9600
手ブレ補正はR5Ⅱより効く
 

 高感度は常用感度でISO102400、拡張感度ではISO409600まで設定できる。さすがに拡張感度では破綻が目立つが、画素数を抑えたぶん画質は優秀。ISO25600でも安心して常用でき、ある程度の光量があるシーンならISO102400でも実用的だ。

 また「EOS R5 MarkⅡ」では電子シャッターのほうがメカシャッターより高感度ノイズが目立っていたが、「EOS R1」では多少のノイズ感や色調に違いは見られが大差ないレベルだった。

 
“キヤノン「EOS

高感度で撮影した写真の一部を拡大して比較。左上からISO3200・ISO6400・ISO12800・ISO25600・ISO51200・ISO102400・以下拡張感度ISO204800・ISO409600。電子シャッターのノイズ処理標準で撮影。

“キヤノン「EOS

高感度で撮影した作例をいくつか。使用レンズ「RF100-500mm F4.5-7.1」、焦点距離400mm、絞りF6.3、シャッタースピード1/15秒、ISO12800。

“キヤノン「EOS

使用レンズ「RF100-500mm F4.5-7.1」、焦点距離500mm、絞りF7.1、シャッタースピード1/200秒、ISO25600。

“キヤノン「EOS

使用レンズ「RF100-500mm F4.5-7.1」、焦点距離500mm、絞りF7.1、シャッタースピード1/125秒、ISO51200。

“キヤノン「EOS

使用レンズ「RF24-105mm F4」、焦点距離105mm、絞りF4、シャッタースピード1/40秒、ISO102400。

 手ブレ補正はレンズ協調で中央8.5段、周辺7.5段と「EOS R5 MarkⅡ」と同じだが、何故か「EOS R1」のほうが効果は高く感じた。

 「RF24-105mm F4」の広角側で2~4秒くらい、望遠側で1/2~1秒くらいでもブレずに撮れることがあった。画素数の差でブレが目立ちにくいのか、もしくはボディーが大きいぶんしっかり構えられるのか要因は不明だが、いずれにしろ手ブレ補正が強力であることは間違いない。

“キヤノン「EOS

使用レンズ「RF24-105mm F4」、焦点距離24mm、絞りF9、シャッタースピード4秒、ISO100。

“キヤノン「EOS

使用レンズ「RF24-105mm F4」、焦点距離105mm、絞りF5.6、シャッタースピード1秒、ISO200。

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