今の自動車業界のメインストリームであるSUV。あらゆるメーカーがSUVを出しているが、ドイツの雄、メルセデス・ベンツもたくさんラインナップがあり、どれを選んだらいいのやら……。そこで、メルセデス・ベンツの担当者に聞くと同社SUVラインナップの中で「GLB」と「GLC」が人気なのだそう。今回、その中からGLCクーペ(Coupé)を試乗し、本音でレビューします。
【GLC220d 4MATICクーペの魅力 その1】
ギリギリちょうどよい大きさ
メルセデス・ベンツのミドルクラスSUVであるGLCは、2016年まで発売されていたコンパクトSUV「GLK」のあとを担う形で2017年に登場しました。GLCの生産台数は好調で、先代の末期である2022年だけでもワールドワイドで35万台のセールスを記録したのだとか。そして2023年に2代目へとチェンジしています。
GLCはコンサバティブな外観のスタンダードなGLCのほか、スポーティーな印象を抱くGLCクーペの2モデル展開。それぞれにディーゼル、プラグインハイブリッド、ガソリンエンジン(AMG)が用意されています。
自動車の大型化は今に始まった話ではありません。ですがGLCクーペは、ホイールベースを15mm、全長で30mm伸長した程度にとどめています。とはいえ、全長4770×全幅1920×全高1600mm、ホイールベース2890mmに車重2030kgというボディーは相当に大きく、慣れないうちは狭い道でのすれ違いや車庫入れなどで神経を使いそう。一方、オプションの「AMGラインパッケージ」を選べば四輪操舵システムを搭載しているので、見た目に似合わず小回りが利くクルマだったりします。
ですが、実際に一般道を走らせると車高の高さも手伝って、それほど車幅を意識させないから不思議。逆に言うと、車幅が1.9mを超えると道幅の狭さを感じるわけで、この大きさが“ギリギリちょうどよい”と思えるサイズの上限といえそうです。
【GLC220d 4MATICクーペの魅力 その2】
荷室の使い勝手がバツグンに良い!
トヨタの「クラウン・クロスオーバー」など、後端をスラントさせたファストバック形状のSUVが増えてきました。初めて見ると「これはSUVなのか?」と違和感を覚えるのでは? でも、これが実用的なのです。
というのも、開口時にバックドアが車庫枠からはみ出さないから。これがショッピングセンターの屋内駐車場など、駐車枠の後端に壁がある時に威力を発揮するのです! 日本にはそういう駐車場って多いんですよね。
さらにバックドアが自動で開くパワーゲートというだけでなく、オプションの「AMGラインパッケージ」を選べば、エアサスペンションゆえ後輪の車高を下げる機構までついている新設設計。乗り心地だけでなく使い勝手も良くなります。
確かにスタンダードなGLCの荷室容量620~1680Lに対して、クーペは545~1490Lと数字上は少ないのですが、日常使いで容量不足を感じることはないでしょう。
そして、さすがだなぁと感じるのは荷室の使い勝手の良さ。まずプライバシートレイがシェード式(伸縮する形式)になっているのが◎。背丈のある荷物を載せたい時に、いちいちトレイを外すのは面倒だったりするのです。
さらに、荷室側から後席の背もたれを倒すことができるのもいいですね。しかも操作部が片側に集中しているので、やりやすく、とても使い勝手がよいのです。また、12Vのアクセサリーソケットも用意されているので、荷室でさまざまなモノが充電できます。この使い勝手の良さだけで、このクルマに惚れました!
しかし、人によって気になるだろうなぁと思ったのは、ドア開口部と荷室スペースの間に段差がある点でしょうか。これは車両のドア形状から仕方ないのですが。
【GLC220d 4MATICクーペの魅力 その3】
ディーゼルエンジン車なのに静かな車内
パワートレインはメルセデスの最新ディーゼルで、最高出力197PS/3600rpm、最大トルク440N・m/1800-2800rpmを発生。さらに最高出力23PS、最大トルク205N・mを発生するマイルドハイブリッドのモーターがブーストするという仕組み。もともとメルセデスのディーゼルエンジンは他社に比べて静かなのですが、さらに加速時に唸らなくなったというわけです。
ちなみに、燃費はWLTCモードで18.2km/リットルが公称値。走り方によりますが、高速道ではさらに伸びるでしょうし、一般道だと下回るとはいえ、この数字は昨今の燃料費高騰の中、とてもお財布に優しいといえます。しかも軽油ですから。
さらに驚くのがドアパッキンの分厚さ! これが外部からのノイズをシャットアウトして、走行中の車内はとても静かなのです。
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