◆高級ブランド「マセラティ」にもSUVが登場
今や名だたるスポーツカーブランドもSUVを手掛けるのが常識です。それはイタリアの名門スポーツカーブランド「マセラティ」も同様です。最新ラインアップでは、ブランド初のSUV「レヴァンテ」に加え、エントリーSUVとなる「グレカーレ(Grecale)」の2車種を用意しています。
かつては、スポーツセダンに加え、2ドアのクーペ、そのオープンモデルのみで、通好みの高級スポーツカーというイメージが強かったマセラティですが、SUVという新しい風を入れたことで、若い富裕層を中心に関心が高まっているとか。その新たなユーザー層の獲得に一役買っているのが、今回の主役「グレカーレ」なのです。
グレカーレは2022年に発表され、日本でのデリバリーは今春始まったばかりという旬なモデルでもあります。兄貴分となる「レヴァンテ」よりもコンパクトなのはもちろんですが、デザイン的にもフロントマスクがシャープな上、フロントオーバーハングを切り詰めたスポーティーなデザインに仕上げられています。
しかし、そのボディサイズは全長4845×全幅1950×全高1670と立派なもの。意外にもミッドサイズSUVであるメルセデス・ベンツの「GLC」やBMW「X3」よりも大きいことに驚かされます。
◆ボディーサイズも大きいので車内は余裕アリ
ホイールベースも2900mmと長いため、室内空間は広々。運転席周りは、マセラティ最新のデジタルコクピットデザインとなっており、フル液晶デジタルメーターに加え、大画面インフォテイメントシステムとエアコンのコントロールパネルが液晶タッチスクリーンとなっています。
さらに驚くことに、マセラティ車の伝統であるアナログ時計も、秒針表示までありながら、実はフルデジタル式。その描写は美しく、本物のアナログ時計と間違えそうなほど。もちろん、時計以外の表示機能も与えられています。
センターコンソールまわりは、収納機能が充実しており、本来は存在するATシフトレバーがありません。そのかわり、ダッシュボード上にボタン式シフトが備わっています。伝統のインテリアデザインの世界観を守りつつ、現代車に相応しいデジタル機能を満載したものが、これからのマセラティスタイルとなるようです。
キャビンは、全幅とホイールベースにゆとりがあるので、前席エリア同様に後席エリアのゆとりもたっぷり。特に足元が広々としているため、大人3人が並んでも窮屈さはないでしょう。ラゲッジスペースについても、SUVとしての要求を満たす標準時で535Lの容量を確保。もちろん、後席は可倒式なので必要に応じて拡大することも可能です。
◆マセラティのハイブリッドは攻めのハイブリッド
最新マセラティでは、主力となる2.0L直4ガソリンターボエンジンに、48Vマイルドハイブリッドを採用。それは試乗したエントリーグレード「GT」も同様です。このエンジンがとてもユニーク。ハイブリッド機能を燃費向上だけでなく、スポーツ性能の向上にも活用しています。簡単に言うと、回生した電気エネルギーで電動コンプレッサーを回し、ターボが効くまでの加速ロスを生むターボラグをなくすことで、素早い加速とエンジン負荷低減による燃費向上を図るというもの。つまり、攻めのハイブリッド車なのです。
その走りは、俊敏かつ軽快なもの。電気と排圧によるツインチャージャーで最高出力300PS、最大トルク450Nmを発揮し、約1.9tの車重をワインディングロードで感じさせません。グレカーレ GTのサスペンションはメカ式ダンパーなのですが、その重量を忘れさせるほど足の動きが滑らかで、マセラティの名にふさわしい痛快な走りを楽しませてくれます。
エンジンサウンドも力強いものにチューニングされており、スポーツドライビングをしっかり盛り上げてくれます。もちろん、SUVなので巡行時の乗り心地にも配慮した味付けであり、快適性も申し分ありません。
◆ATシフトボタンがイマイチ操作感がないのは残念
唯一個人的に残念だったのが、ATシフトボタン。ダッシュボード上のデザインに組み込まれたことで、インテリアの美しさには繋がっているとは思うものの、ストローク感のないタッチパネル式スイッチなので操作性が今ひとつ。異なるメーカーのクルマでは、スイッチ操作と連動して振動を与えることで、操作感を演出している例もあるので、グレカーレではもうひと工夫がほしいと思いました。
【まとめ】人とは違う個性派SUVを求める人のためのクルマ
事実上、マセラティブランドのエントリーモデルとなる「グレカーレ GT」ですが、高級車だけに基本装備も充実。さらにスポーツカーらしい走りとSUVの機能性をあわせ持つ欲張りなクルマであり、さらなるパワーや刺激を求める人には、より上位モデルが用意されています。
もちろん、イタリアのラグジュアリースポーツブランドだけに、964万円と値は張りますが、周りに溢れるドイツの高級SUVとは異なる選択で、よりスポーツカーらしい世界観や刺激的な走りも楽しみたいという欲張りなリッチ層には、刺さる1台だと思います。
レヴァンテとはサイズだけでなく、走りのキャラクターにも違いあり、よりスポーツを意識しているのが、グレカーレ。その点も好評の要因といえそうです。
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