人間知らない方が幸せなことは多々あります。イタリアの名門、マセラティのクルマもその1台。今回、縁あってV8ツインターボエンジンを搭載したギブリ トロフェオ(1801万円)に触れる機会をいただいたのですが、あまりの素晴らしさに「乗らなければよかった」と心底後悔しています。
マセラティ ギブリってこんなクルマ
マセラティは100年以上の歴史を有する高級スポーツカーブランド。にも関わらず、我が国においてその知名度は低いように感じます。恥ずかしながら不肖もマセラティのことはよくわかりません。正直申し上げると、たまに街で見かける高そうに見えるクルマという程度。ですが、多くの人はギブリを見てこう思うでしょう。「なんてカッコいいんだろうクルマなんだろう」「よくわからないけれど、他のクルマとは違う」と。そう、伝統という名のオーラを纏っているのです。そういうクルマ、ありそうでありません。
ギブリはマセラティ初の4ドア・ミドルクラススポーツセダンとして2013年に誕生しました。ライバルはメルセデスEクラス、BMW 5シリーズ、アウディA6あたりで、価格も現行モデルで1035万円(GT Hybrid)からとジャーマン3のアッパーグレードとほぼ同じといったところです。ボディーサイズは全長4971×全幅1945×全高1461mmと、堂々たる風格。特に2m近い全幅は他車と比べかなり広く、日本の道には持て余し気味のサイズです。
ギブリ トロフェオは、そんなギブリに最高出力580PSのV8ツインターボエンジンを与えた、いわばマセラティ史上最速のセダン。赤く塗装されたヘッドを覆うようにカーボンのカバーが被されている姿は、見るからに「ただモノではない」ことを思わせます。ちなみに最大トルクは730N・mで、0-100km/h加速は4.3秒、最高速度は326km/h。こちらもまた、日本の道には持て余し気味のパワーなのですが、さらに後輪駆動(FR)というから驚き。ジャーマン3のハイパフォーマンスモデルはすべて4WDですから、貴重な存在といえそうです。
スポーツモデルというと、レギュラーモデルと外観上の差別化がお約束。マセラティの場合は控えめで、フロントフェンダーの3連エアベントに赤の差し色、そしてトロフェオのバッジをあしらい、Cピラーのトライデントには赤いラインを2本。そしてボンネットにエアーダクトを配した程度。
試乗車にはオプションのエクステリアカーボンキット(33万円)が取り付けられていたのですが、それとてバンパー下やリアディフューザーなどがカーボン化されている程度。端正で調和のとれた流麗なボディーはそのままに、知る人が見たら「お!」と思う程度。これがイイのです。
タイヤは21インチの245/35R。銘柄はピレリのP ZEROです。3本1組の5本スポークのデザインから、ドリルドローターと赤いキャリパーが顔をのぞかせます。ここら辺もまたスポーティーグレードらしい演出ですが、主張はさり気なく。
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