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マセラティ クアトロポルテ GT Sの音響にうなった

最高出力530ps、最高時速307kmで走る専用オーディオルーム

2013年06月01日 11時00分更新

文● ASCII.jp編集部

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イタリア・ボローニャの象徴、トライデントをあしらったマセラティに乗り、最高のオーディオ体験を

移動する世界最高級のHi-Fiオーディオ空間

 紹介するのは“総額2000万円弱”のオーディオシステム。お部屋も含めて……。

 ちょっと首をかしげた読者もいるかもしれないが、イタリアの高級自動車ブランド“マセラティ”のサウンドシステムがとてつもなくスゴイという話だ。4ドアの“ラグジュアリー スポーツ セダン”の伝統を受け継ぐ、「マセラティ クアトロポルテ」の第6世代。「マセラティ クアトロポルテ GT S」(車輌本体価格1690万円)が4月に国内でも発表されたばかり。このクルマに搭載されているB&Wのオーディオシステムが出色のできなのだ。

B&W ブランドディレクターのダニエル・ハイキン氏とマセラティ クアトロポルテ GT S

 「なんだカーオーディオか……」と思ってはいけない。聴いてみてビックリ。これが極めて本格的なサウンドを実現した逸品なのだ。

 新型クアトロポルテには、B&Wとのコラボによる専用のプレミアムサウンドシステムが搭載されている。高性能のアルミトゥイーター、ケブラー採用ミッドレンジ、ロハセル採用ウーファーなど15のスピーカーで構成され、16chで出力1280Wを誇るハーマンの高効率マルチチャネル DSPアンプを搭載している。

 今回のシステムはマセラティ クアトロポルテ仕様として専用に設計され、音響的に最適化されている。容易に想像が付くと思うが、車内でいい音を実現するというのは極めて難しいことだ。様々な素材が使用され、複雑な曲面があり、そして決して広くはない。1次、2次……と多重の反射が発生し、音同士が干渉する。B&Wとマセラティはこの難しい問題に取り組むため、生産に先立つ3年前から最適なスピーカー配置などについて議論したという。

15個のスピーカーはこのように配置されている。左右のドアに複数のユニットを配置するとともにセンターおよび後方にもスピーカーを配置。サブウーファーも持つ。

 サウンドエンジニアは、タイムディレイやイコライザーなどの調整によって、凹凸、共振周波数、音同士の打ち消しといった悪影響を補い車内全体の周波数特性の最適化にジックリと取り組んだという。最先端のマイクを使って音声をプロットし、純化。B&Wの専門家が入って主観的なリスニングと調整も実施した。

トライデントのフロントグリルが圧倒的な存在感を示す。上質でゆったりとした車内空間

ドア部分にスピーカーが配置されている。音はもちろんだが、アナログの時計など室内装飾の満足度も高い

 実際に聴くとギターのバチンと弾く音、低音の座った存在感、太く厚みのあるボーカル……といった感じで高級オーディオ店の試聴室に脚を運んだときのように素晴らしいサウンドが車内に広がる。運転席はもちろん、助手席・後部座席のどこでもだ。ラグジュアリで居住性の高い車内。そして何より素晴らしいのは、この空間が移動でき、都会の夜景あるいは広大な自然をバックに音楽へ浸れるという点だ。

 ニアフィールドで音を聴くということもあり、体にズシンと迫る振動も感じる。このあたりはエアボリュームの低い車内ならではの考え方もあるようだ。いずれにしても、カーオディオながらとか、制約のある中でもなどかっこ書きを入れることなく、これは正真正銘のB&Wサウンドだと断言していいぐらい、まっとうかつ正統的な音がなるという点は事実である。

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