フォルクスワーゲンの主力モデルである「ゴルフ」。そのハイパフォーマンスモデルとなる「ゴルフ GTI」を試乗しました。どんな背景を持ったクルマなのか? その走りは? などをレポートします。
ホット・ハッチバックの元祖
フォルクスワーゲン「ゴルフ GTI」
日本での輸入車市場において、長年ベストセラーの座を守ってきたのがフォルクスワーゲンのハッチバックモデル「ゴルフ」です。2016年度からは、「BMWミニ」にトップの座を明け渡していますが、それでも2位というのが、ほぼ指定席。それだけ日本で愛されているのが「ゴルフ」なのです。
その中でも特にクルマ好きに注目度の高いグレードが「ゴルフ GTI」でしょう。GTIは「Grand Tourisme Injection」の略で、Iを示すインジェクション(燃料噴霧装置)を使う高性能エンジンが特徴となります。
1974年にデビューした初代「ゴルフ」は実用的なコンパクトカーとして大人気となりましたが、スタンダードな1.5リッター4気筒エンジンの出力は、わずか70馬力ほど。今の日本車のレベルでいえばリッタカーと、それほど変わりません。しかし、1976年に発表された最初の「ゴルフ GTI」は、キャブではなくインジェクションを使うことで性能を大幅にアップし、最高出力110馬力、最高速度182km/hを実現。「コンパクトカーでも、アウトバーン(ドイツの高速道路)の追い越し車線を走れるクルマ」として大きな注目を集めることになります。
車格の低い小さなクルマでも速い! という当時としては画期的なコンセプトは、すぐにマネされることになり、ライバルから次々に高性能車が登場します。1970年代後半から80年代にかけて、いわゆる「ホットハッチ(バック)」というブームを生み出したのです。
その後「ゴルフ」には、より排気量が大きく強力なV6エンジンを載せる「ゴルフ R」が登場。スピードという面では「ゴルフ R」が勝りますが、スポーティなフィーリングは、やはり「GTI」が上。また、ドイツのニュルブルクリンク・サーキットにおいて「世界最速FF」をライバルであるホンダの「シビック・タイプR」や「メガーヌRS」と競うのも「ゴルフ GTI」の仕事となっています。
第8世代となる「ゴルフ」の特徴
現在の「ゴルフ」は、昨年6月に日本で発売された第8世代モデルです。特徴は「デジタル化」「電動化」「先進運転支援」が進化していること。
「デジタル化」は運転席前のメーターからセンターまで続く大きなディスプレーが象徴的です。また、シフトノブがスイッチ形状になるなど、操作系が非常にモダンになっています。「電動化」は、48Vマイルドハイブリッド・システムの採用です。これは48Vの小さなリチウムイオン電池とスターター・ジェネレーターを組み合わせたもの。減速時に発電を行ない、加速時にはエンジンのアシストを行います。ただし、全モデルではなく、エントリーとなる1.0リッターと1.5リッターのエンジンに48Vマイルドハイブリッドが採用されています。他の2リッターのディーゼル・エンジン車の「ゴルフ TDI」や「ゴルフ GTI」には採用されていません。そして最後の「先進運転支援システム」は、現在のフォルクスワーゲンの最新システムを採用していることを示します。今どきの日本車と遜色ないレベルと言えます。
一方、プラットフォームは先代モデルの進化版となります。サスペンションはフロントが全グレードでマクファーソンストラット、リヤがエントリーの1.0リッター・モデルがトレーリングアームで、他グレードがスタビライザー付きの4リンクとなります。
シリーズ最強の最高出力245馬力エンジンを搭載
そんな第8世代の「ゴルフ」シリーズに、昨年の暮れ、12月に追加されたのが「ゴルフGTI」です。最大の注目は、最高出力245馬力、最大トルク370Nmを発揮する強力な2リッター・ターボ・ガソリン・エンジンです。エントリーとなる「ゴルフeTSI Active」の1リッター・エンジンの最高出力は110馬力、ディーゼルの「ゴルフTDI」でも150馬力ですから、「ゴルフGTI」の245馬力は、まさに圧倒的なスペックです。
また、電子制御油圧式フロントディファレンシャルロックを標準で装備するだけでなく、オプションでサスペンションなどの特性を変化させるアダプティブシャシーコントロールDCCも用意されており、普段使いからスポーツ走行まで幅広いシチュエーションに合わせることもできるようになっています。
さらに、グリルの赤いストライプや、チェック柄シート、本革ステアリング、デジタルメーターの赤いグラフィックなど、「ゴルフ GTI」専用の装備も満載。価格は466万円となります。
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