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プレイヤーの選択で物語が複数に分岐、スクエニの最新作『トライアングルストラテジー』は重い選択と人間ドラマを描いた英雄譚だ

2022年03月29日 12時00分更新

文● Zenon/ASCII

 スクウェア・エニックスより2022年3月4日に発売されたタクティクスRPG『トライアングルストラテジー(TRIANGLE STRATEGY)』のプレイレビューをお届けする。価格はパッケージ版・ダウンロード版ともに7680円だ。

 本作は、同社のRPG『オクトパストラベラー』でも用いられた、ドット絵と3DCGの融合した表現「HD-2D」を採用しているタイトル。往年のシミュレーションRPGのようなクォータービュー方式のマップで探索や戦闘を行なう。

高低差のあるマップで、戦略的なバトルが展開。高いところから矢を射ったり、敵の背後から攻撃すると与ダメージが増加する

 物語は3つの国による争いをめぐり、新米当主セレノアがどう立ち回るかを描く。作中ではたびたび選択肢が提示され、その受け答えによってセレノアの「信念」が変化する。物語の分岐点で、その積み重ねた「信念」によって道が定められていくのが特長だ。

会話の選択肢。信念パラメータは「Moral(道徳)」「Benefit(利益)」「Freedom(自由)」の3種が存在するが、どの選択肢でなんのパラメータが上昇しているのか、プレイヤーからはわからない仕様となっている(なんとなく予想がつくものもあるが)

 今回は、20時間ほどプレイした段階でのレビューをしていこうと思う。ストーリーのネタバレはなるべく控えるが、どうしても必要な部分は紹介せざるを得ないのでご注意願いたい。

物語とバトルの割合は「3:1」程度の体感。じっくりと壮大な群像劇を描く

 ゲームの流れとしては、物語を読み進める「ストーリーパート」、人々の話を聞いて情報やアイテムを収集する「RPGパート」、敵とバトルする「戦闘パート」を繰り返して進行していく。

 ストーリーパートは主人公視点だけではなく、ほかの人物から見たお話も展開するので、より丁寧に物語を描いている印象を受けた。お話とお話の間隔もほどよい感じに調整されており、ひと息ついて次のお話へと進めるのは好印象。

ワールドマップの赤いアイコンでメインストーリーが、緑のアイコンでサブストーリーが進行する。サブストーリーは見なくてもいいが、放置して物語を進めると消滅してしまう

 RPGパートは人々との会話があり、物語に没入できる。また、「これから戦闘するマップ」の下調べを兼ねているのも特長。いわば戦闘前の準備のようなもので、ギミックの確認や移動可能な地形の把握などができる。これを怠ると、その後のバトルで戦略ミスを起こすはめになるので気が抜けない。

会話による選択肢で信念パラメータを上げたり、道のスミや家のなかで光るアイテムを拾ったりできる。行商人からアイテムも購入可能だ

 戦闘パートはクォータービュー方式で視点を変えつつ行なう。高低差や向きに注意しつつ、いかに「こちらの攻撃を当てて敵の攻撃を避けるか」を考えながらキャラクターを配置していくのが、とても楽しい。

移動するときの色分けは、紫パネルが「敵から攻撃を受ける可能性がある」という意味で、青いパネルが「安全地帯」というもの。1ターン目は安全地帯ギリギリで止まって、敵が近づいてきた2ターン目で一気に叩く、といった戦術を取りやすいシステムだ

 筆者の体感としてはストーリー&RPGパートと、戦闘パートの割合は「3:1」といったところで、本作は物語をより重視したタイトルだと感じた。個人的には各キャラクターの心情を深掘りしてくれるのは嬉しいポイントだし、じっくりとお話を読めるのは楽しい。

 ただ、これはプレイヤーの好みが分かれるところだと思うが、バトルをガンガンやっていきたいという人には少々スローペースに感じてしまうかもしれない。

 そんな人は、前述のワールドマップ画面で赤いアイコンだけを追うようにしたり、お話のボイスを全部聞かずに進めたりすると、テンポがよくなるだろう。早送りやスキップ機能もあるので、2周目はもっと短縮できる気がする。

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