1.5リッタークラスを超えた乗り心地!
では実際に走ってみるとどうなのでしょう。
ヤリスクロスはハイブリッドとガソリンエンジンという2種類のパワーユニットがあり、ともに1.5リッターの3気筒がベースとなっていて、このパワーユニット自体はヤリスと共通するものです。今回の試乗車はその中の「HYBRID Z」というグレード。
ヤリスとヤリスクロスの間には100kg近い重量差があることは先述のとおりですが、走り出すとその重量差をまったく感じません。ハイブリッド車に関して言えば、普通のヤリス以降のハイブリッドシステムの発電能力は、それ以前と比べて明らかに向上しています。それはこのヤリスクロスでも同様で、アクセルの開度にぴったりシンクロしたパワーをエンジンとモーターのユニゾンでドライバーに応えます。そのおかげで、もたつきなどが一切ない快適な走行が味わえます。
TNGA GA-Bというプラットフォームはヤリスでも体感していますが、剛性がかなり高いのも特徴の一つで、ボディーがたわみにくいことでサスペンションの性能をフルで発揮できるために、乗り心地がかなり向上します。そのうえ、ヤリスクロスでは18インチというタイヤサイズとそれに見合ったストロークの長いサスペンションのおかげで、舗装路面の凹凸はほぼ感じさせません。高速道路の目地段差も工事の後の継ぎはぎの舗装も一切不快感を感じることなく走ります。
余談ですが、試乗前はヤリスクロスとライズがコンパクトSUVとして競合するのではないかと思っていました。ライズはランドクルーザーやRAV4の流れのオーバーランドスタイルに近いデザインなうえに、サイズ感からクラスが違います。一見、近いサイズ感の存在に見える車種ですが、その間に極端なイメージの差を入れることで違うマーケットに訴求するのがトヨタのSUVです。
ライズからヤリスクロス、そしてランドクルーザーまでSUVを8車種もラインアップをして、これからもその間を埋めてようとするSUVモデルを出そうとしているところが、トヨタのスゴイところと言えるでしょう。
この連載の記事
-
第426回
自動車
SUV+BEV=最高! メルセデス・ベンツの電動SUV「EQB」はアイドルも納得の乗り心地 -
第425回
自動車
雪道も砂漠もドンと来い! ポルシェ「911 ダカール」は悪路を得意とするスーパースポーツ -
第424回
自動車
今買うならMAZDA2の前モデルがお買い得な5つの理由 -
第423回
自動車
ホンダの新型アコード試乗! ハイブリッドなのにエンジン車のようなユニークな走り -
第422回
自動車
マツダ「MX-30 Rotary-EV」はロータリーエンジンのみならず! 新 唯がマツダ好き目線でジャッジ! -
第421回
自動車
ホンダ、水素が燃料の「CR-V e:FCEV」を発表! 近所はEVモード、遠出はFCモードで! -
第420回
自動車
テスラからアバルトまで最新EV5台を一気乗り! 多彩な顔ぶれと個性的なモデルが増えた -
第419回
自動車
コルベットの上位モデル「Z06」試乗! 圧倒的パワーのエンジンにシビれた -
第418回
自動車
マツダの売れ筋SUV「CX-5」の中で「FIELD JOURNEY」をオススメしたい理由 -
第417回
自動車
テスラ独自の高速充電器が国内100ヵ所超え! マイナーチェンジのモデル3も試乗 -
第416回
自動車
ロータリーエンジンを知らないアイドルが「MX-30 Rotary-EV」で感じた走りの良さ - この連載の一覧へ