近年トヨタのSUVラインアップを拡充中。ウェブサイトを見ると、なんと9種類もあるから驚きです! その中で昨年8月末に発売を開始したヤリスクロスは、好調なセールスを記録しているのだそう。そこでヤリスクロスの魅力を今一度振り返ってみたいと思います!
コンパクトカーの走りやすさと
SUVの使い勝手を両立!
ヤリスクロスは、その名のとおりBセグメントハッチバックのヤリスをベースとした1台。同社のC-HRやライズと同じカテゴリに位置する1台です。シャシーはヤリスと同じTNGA(トヨタ ニュー グローバル アーキテクチャー/Toyota New Global Architecture)のGA-Bを採用。これはTMGAの第四弾プラットフォームで、CH-R(GA-Cプラットフォーム)やライズ(DNGA-Aプラットフォーム/ダイハツ主導で規格・開発)よりも新しい、トヨタでは最もコンパクトなプラットフォームです。これに力強く存在感のあるクーペデザインのSUVボディーが載せられ、都市型SUVとして誕生しました。
車両はヤリスより立派で、「これヤリス?」と思えるもの。それはフロントマスクにも表れていて、ヤリスというよりシエンタを彷彿させます。このクルマにヤリスの名が与えられたのは、外面ではなく、前出のプラットフォームやエンジンなどに起因するのでしょう。
ラインアップは、120馬力を発する自然吸気3気筒1.5リットルダイナミックフォースエンジン(M15A-FKS)と、最高出量91馬力、最大トルク12.2kgf・mの1.5リットル直列3気筒ガソリンエンジンに80PS/14.4kgf・mのフロントモーター組み合わせたハイブリッドユニット(M15A-FXE)の2種類が用意されています。それぞれに前輪駆動モデルと四輪駆動モデルが用意され、装備の違いなどから驚きの14グレードがラインアップされています。
今回試乗したのは、そのうちハイブリッドエンジン搭載の前輪駆動モデルになります。ちなみにハイブリッドモデルの四輪駆動モデルは、リアに5.3PS、最大トルク5.3kgf・mのモーターが搭載されています。
ヤリスとは大きく異なるエクステリアに対し、インテリアはヤリスを彷彿させるものに仕上げられています。曲面を活かした拡がりのあるデザインで、助手席にトレイを配するなど、使い勝手も十分に考えられたものです。
ドリンクホルダーやUSBレセプタクルの位置などは、さすがトヨタ! と言いたくなる配置の良さ。中でも助手席側のUSBレセプタクルは2.1A対応で、タブレット端末の充電もできます。必要にして十分、豪華さより質実を取った印象で、実用面と機能面で「コレがあれば……」と思わせるところは少ない印象です。一見アームレストがないように思えますが、実はディーラーオプションで、運転席のシートに設けられていました。
運転席ついでに言えば、パワーシートが採用されているのも特徴的。このクラスのSUVでパワーシートを搭載するモデルはなかなか見ません。メモリー機能はないものの、力の弱い方でも簡単にポジション出しができるのはよいところ。ですが、1モーターですべての調整をする機構のため、操作には若干の慣れが必要なうえに、動作音はかなり大きめでした。

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