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日本の宇宙開発最前線 第8回

「きぼう」の一部を載せたスペースシャトル・ディスカバリー号発射

日本実験棟「きぼう」中心部取り付け中

2008年06月03日 18時32分更新

文● 丸子 かおり

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「きぼう」の中心となる船内実験室を取り付ける

きぼう

「きぼう」の船内実験室モジュール(提供:JAXA)

 今回の打ち上げ時にディスカバリー号に搭載された部位は実験棟のメインである船内実験室。全長が11.2mもある巨大なパーツで、ISSのモジュールの中でも最大クラスだ。実験室の中には実験用設備はもちろん全体のシステムを管制する装置も入るという。まさに「きぼう」の中心となるモジュールなのだ。

 また、この船内実験室の中は1気圧に保たれているため、宇宙服なしで無重力下での実験作業が可能になる。これまで独自の無重力実験施設を持たなかった日本にとっては貴重な存在となるだろう。

ドッキング

ドッキングが終了し、ISSクルーと抱き合う星出宇宙飛行士はじめディスカバリー号クルー(提供:NASA)

 今回、ディスカバリー号に搭乗し、ISSに入った星出宇宙飛行士は、搭乗運用技術者として、6月4日午前0時32分から船内実験室の取り付け作業の準備を行なうスケジュールになっている。船内実験室の取り付け作業が完了したのち、日本時間の6月15日に星出宇宙飛行士は帰還する予定だ。

 また今後の「きぼう」建設ミッションとしては、2009年3月に打ち上げられる船外実験プラットホームなどのモジュールを、若田光一宇宙飛行士が取り付け、完成する見込みである。一時期はコロンビア号の事故で、建設の断念も懸念された「きぼう」だが、船内実験室の打ち上げによりやっと完成へのきぼうが見えてきたといえるだろう。


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