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再生医療のお悩みをひとつクリア

自動装置で細胞の培養、ドンと来い!

2008年06月28日 11時00分更新

文● 丸子 かおり

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苦労の多かった複数患者の細胞培養を機械化!

 科学技術振興機構は委託していた開発課題「多患者細胞自動培養装置」の開発結果を成功と認定した。これは北海道大学大学院の髙木 睦教授らの研究成果をもとに、平成17年3月~平成20年3月にかけて川崎重工業(株)に委託して、企業化開発をしていたものだ。

細胞
細胞自動培養装置の外観。異なるドナーの細胞を扱う前に滅菌を行なうことで、複数のドナーの細胞の培養が可能になった

 生きた細胞を移植して、事故や病気で失った体の一部を再生させたり、機能を回復させたりする再生医療。現在、この手術で必要となる細胞の培養は、CPC(Cell Processing Center)と呼ばれる医療用のクリーンルームで手作業によって行なわれている。

 しかし手作業は、作業者の技量や経験によるところが多い、汚染防止のため長時間CPCに拘束されてしまう、という問題点があった。ほかにも、複数の患者の細胞を同時に扱うときは「交差汚染」と呼ばれる病原微生物が他の物体や場所に移動し汚染されるのを防ぐために、無菌状態で作業をしなければならず、このような制約の多さから、大変手間のかかる作業となっていた。

細胞
細胞自動培養装置では、コンピュータが画像処理を行ない、細胞の様子が見えやすくなっている

 だが、今回開発された培養装置は、滅菌技術と画像処理技術、ロボットを使った自動培養技術が組み込まれ、無菌環境下における複数の細胞培養操作が可能になったのだ。これまでは手作業の苦労が大きかっただけに、機械化の価値は高いだろう。

 また、機械化によって、一定品質の細胞を安定して供給できることも見込まれており、再生医療だけでなく製薬の研究にも大きく役立つと言われている。なお、この装置は川崎重工業より7月から創薬研究用途向けに販売される予定だ。


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