前へ 1 2 3 次へ

あのクルマに乗りたい! 話題のクルマ試乗レポ第689回

750万円の水素SUV「NEXO」フルモデルチェンジ! EV時代にあえて燃料電池車を選ぶ理由はあるか?

文●栗原祥光(@yosh_kurihara) 編集●ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 韓国の自動車メーカー・ヒョンデからリリースされているSUVタイプの燃料電池車「NEXO(ネッソ)」が4月にフルモデルチェンジ! 一充填走行距離は1014km(参考値)と、航続距離を大幅に伸ばしました。ようやく試乗する機会を得たので、電気自動車ともハイブリッド車とも違う、燃料電池車の走りをレポートします。

充填はわずか3分程度
でも水素ステーションは全国141ヵ所

 燃料電池車とは、ガソリンの代わりに水素を充填し、その水素と空気中の酸素を反応させて電気を作り、その電力でモーターを回して走るクルマのこと。モーターで走るという点ではバッテリーを搭載する電気自動車(BEV)と同じですが、充電に何時間もかかることはなく、3分程度で水素を充填できるのがポイントです。

 もちろん欠点もあります。それは水素ステーションが少ないこと。次世代自動車振興センターのウェブサイトによると、2026年7月1日時点でその数は全国で141ヵ所。ガソリンスタンドが約2万6500ヵ所といわれていますから、圧倒的に少ないことは言うまでもありません。高速道路の休憩施設で水素ステーションがあるのは、東名高速の足柄サービスエリア(下り線)のみという有様……。

 さらに、その多くは24時間営業ではなく、日曜・祝日を定休日としているところも珍しくありません。場合によっては、遠出した先で水素を充填できずに途方に暮れる、ということも。

 水素ステーションが少ないこともあってか、日本自動車販売協会連合会によると、2026年7月単月の燃料電池車の国内販売(登録)台数は、わずか34台。乗用車全体の0.01%にすぎません。それもあってか、国内で販売されている燃料電池車は、バスやトラックを除くと、トヨタの「MIRAI(ミライ)」と「クラウン(セダン)」、ホンダの「CR-V e:FCEV」、そして今回紹介するヒョンデの「NEXO」の4車種のみです。

 水素価格を考えるとランニングコストは決して安くなく、そもそも水素ステーションの数も限られることから、個人的には燃料電池車は「企業や自治体の公用車」か「自宅近くに水素ステーションがあるアーリーアダプター」向けだと思っています。

 トヨタがクラウン(セダン)にFCEVを用意したのも、自治体や会社役員をターゲットとする公用車需要という側面が大きいでしょう。「災害時に電気を取り出せる」「環境に優しい」というメリットが提示できますからね。

取り回しは普通のSUV
燃料代はガソリン車並み

 NEXOのボディサイズは全長4750×全幅1865×全高1690mmと、一般的なミドルサイズSUVのサイズ感。ホイールベースは2790mm、最小回転半径は5.5mで、取り回しの面では普通のクルマと変わりません。見た目は同社の「IONIQ 5」や「KONA」といったEVと共通するデザインテイストで、どこか近未来的な印象を受けます。

 車体には54Lの高圧水素タンクを3本搭載し、水素の充填容量は162L(重量換算で約6.69kg)。ENEOSの水素ステーションでの販売価格は1kgあたり2200円が相場なので、空の状態から満充填すると1万4718円かかる計算になります。これで1014km走れるということは、1kmあたりのコストは約14.5円。10km走れば145円ですから、燃料コストはリッター10km前後のガソリン車と同等といえそうです。

公用車目線でチェック!
広い荷室と車外コンセントが光る

 公用車という視点でNEXOの車内を見ると、装備が不十分ということはありません。シートヒーターもあれば、シートリクライニングもある。ついでに言えば、助手席を前に倒す機能だってあります。ただし質感という点に限っては、750万円というプライスタグを考えると、もう少し高級感がほしいところです。

 感動するのは荷室の広さ。通常時510L、後席格納時は最大1630Lの空間を確保しています。

 ユニークなのは、車外にAC100Vのアウトレットを用意している点。変換アダプターを介して……とか、車内からケーブルをはわせて……といった野暮なことをする必要はありません。これはイイ!

前へ 1 2 3 次へ

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

過去記事アーカイブ

2026年
01月
02月
03月
04月
05月
06月
07月
08月
09月
10月
2025年
01月
02月
03月
04月
05月
06月
07月
08月
09月
10月
11月
12月
2024年
01月
02月
03月
04月
05月
06月
07月
08月
09月
10月
11月
12月
2023年
01月
02月
03月
04月
05月
06月
07月
08月
09月
10月
11月
12月
2022年
01月
02月
03月
04月
05月
06月
07月
08月
09月
10月
11月
12月
2021年
01月
02月
03月
04月
05月
06月
07月
08月
09月
10月
11月
12月
2020年
01月
02月
03月
04月
05月
06月
07月
08月
09月
10月
11月
12月
2019年
01月
02月
03月
04月
05月
06月
07月
08月
09月
10月
11月
12月
2018年
01月
02月
05月
06月
07月
08月
09月
10月
11月
12月
2017年
02月
05月
09月
10月
11月
12月
2016年
07月
09月
11月