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あのクルマに乗りたい! 話題のクルマ試乗レポ 第420回

テスラからアバルトまで最新EV5台を一気乗り! 多彩な顔ぶれと個性的なモデルが増えた

2024年03月17日 12時00分更新

文● 鈴木ケンイチ 編集●ASCII

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 日本の輸入車インポーターの団体である「JAIA」(日本自動車輸入組合)が毎年恒例の合同試乗会を開催しました。そこで数ある輸入車の中からBEV(バッテリーEV)を5モデル試乗してきました。テスラ「モデルY」、ヒョンデ「コナ」、BMW「iX1」、ASF「ASF2.0」、アバルト「500e」の5モデルです。どんな個性があるのかをレポートします。

◆新しいアイデアに満ち溢れた大ヒットモデル
◆テスラ「モデルY ロングレンジ」

 最初に試乗したのがテスラのミッドサイズSUVである「モデルY ロングレンジ」です。2023年にテスラは年間販売台数180万台を達成して、過去最高を更新しました。2022年が約130万台でしたから、約1.4倍の伸びです。そして驚くのは、その180万台のうち、2/3を占める120万台が「モデルY」だったというのです。単一モデルで、この数を売ることは難しく、テスラは「モデルY」を「2023年世界で最も売れた自動車」と喧伝しています。

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 「モデルY」は、兄弟車のセダンである「モデル3」を膨らませたような印象です。顔つきは、ほとんど「モデル3」と変わりません。また、写真では小さく見えますが、寸法は全長4760×全幅1925×全高1625mmもあって、それなりのボリューム感があります。モデル3は全長4694×全幅1849×全高1443mmなのでその大きさがわかります。

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 室内のデザインは非常にプレーンかつシンプルで、まるでミニマリストのリビングのよう。ルーフが大きな1枚ガラスのため明るく、広々としています。これほどシンプルなインテリアは、ほかのメーカーでは見たことがありません。とにかく操作系が、これでもか! というほどに簡略化されているのです。まず、パーキングブレーキとスタートスイッチが存在しません。キーを持って乗り込めば、自動でいつでも発進できる状態にスタンバイされるのです。

 「モデルY」には、ギヤセレクトのレバーとウインカーレバーが残っていますが、最新の兄弟車である「モデル3」は、その2つさえなくなりました。ギヤセレクトはディスプレイで、ウインカーはステアリングスイッチで操作します。この新しさに挑戦する姿勢こそが、テスラらしさでしょう。

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 走りはスムーズで落ち着きがあります。ハンドル操作に対するクルマの動きは、鷹揚でゆったり。ただし、前後の車軸に配置された2つのモーターは、前が158kW(約215馬力)で後ろが220kW(約300馬力)もありますから、アクセルを目いっぱい踏み込めば、スポーツカー顔負けの鋭い加速を見せてくれます。高速道路の合流や追い越し加速で苦労することはまったくないでしょう。

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 モデル3との違いはSUVになったことのボディーサイズと車内空間の広さ、トランク容量の大きさ、モデル3でなくなったスイッチ類がある、最高速度が250km/h(モデル3は217km/h)など。ですが、価格は今回試乗したロングレンジが652万6000円、モデル3 ロングレンジが651万9000円とほとんど変わりませんので、スタイリングの好みで選ぶといいでしょう。

 モダンで明るく広々としたインテリアと、十分な動力性能、そしてゆったりとした乗り心地。普段使いできるSUVとして人気になるのも納得の総合力の高さを実感することができました。

テスラ「モデルY ロングレンジ」の主なスペック
サイズ 全長4760×全幅1925×全高1625mm
車重 1980kg
乗車定員 5名
モーター フロント交流インダクションモーター/リア交流永久磁石同期モーター
モーター出力 フロント158kW・240Nm/リア220kW・350Nm
一充電走行距離 605km(WLTCモード)
交流電力消費率 151kW/km
価格 652万円

◆コンパクトで軽快、そしてサービス精神旺盛でコスパよし!
◆ヒョンデ「コナ Lounge」

 ヒョンデの「コナ」は、2022年に導入された「IONIQ 5」に続く、日本導入BEVの第2弾モデルです。ミッドサイズSUVであった「IONIQ 5」よりも小さい、コンパクトSUVというのが「コナ」の立ち位置です。ちなみに「コナ」は、日本にはEVだけですが、世界市場にはエンジン車も発売されています。つまり、ひとつのモデルでエンジン車とBEVの両方が用意されているのです。そして、日本導入の「コナ」はFFのみとなっています。

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 そんな「コナ」はヘッドライトが非常に小さく、まるで仮面をかぶったようなユニークな顔つきです。インテリアも非常にユニーク。端的に言えば、スイッチが多いのです。ステアリングの左右にずらりとスイッチが並び、その裏にはパドルシフトがあり、コラムにはウインカー用、ワイパー用、シフト用という3つのレバーが生えています。メーターとセンターディスプレイを統合した巨大なモニターの下にも、エアコンやオーディオなどのこまごまとしたスイッチが並びます。

 そのスイッチの多さに比例するかのように、機能の数もたっぷり。ドライブモードにエッドアップディスプレイ、ワイヤレス給電、AR表示のカーナビ、ヒート&ベンチレーション機能付きのシートといった具合です。機能の充実ぶりも「コナ」の特徴です。

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 走りは非常に軽快なものでした。モーター出力は150kW(204馬力)しかありませんが、車両重量は1790kgしかありません。BEVとしては軽量です。きびきびとスポーティな走りを楽しむことができました。

 そんな「コナ」の価格は489.5万円。今回試乗したLoungeは64.8kWhで541km走れるバッテリーを搭載しますが、バッテリー容量の小さい(48.6kWh、456km)グレードの「Casual」を選べば、その価格は、なんと399.3万円です。日本や欧米のBEVと比べると、確実に1ランク下に価格が抑えられているのです。そして自治体の補助金を含めればさらに安くなります。

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 価格が手ごろなのに、機能はたっぷり。そして軽快な走り。コスパの良い軽快なコンパクトSUV。それが「コナ」と言えるでしょう。

ヒョンデ「コナ Lounge」の主なスペック
サイズ 全長4355×全幅1825×全高1590mm
車重 1790kg
乗車定員 5名
モーター フロント交流同期モーター
モーター出力 フロント150kW・最大トルク255Nm
一充電走行距離 541km(WLTCモード)
交流電力消費率 137kW/km
価格 489万5000円

◆BEVであろうともなかろうともBMWらしさ満点
◆BMW「iX1 xDrive30 M Sport」

 BMWの「iX1」は、BMWの電動ブランド「i」のSUVである「X」の、最も小さな「1」というモデルです。2023年2月に日本に導入されました。BEV専用モデルではなく、エンジン車の「X1」のバリエーションという存在です。

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 見た目もエンジン車と変わらないように、インテリアもエンジン車と同様。特段にBEVであることをアピールしていません。

 また、それなりにたくさんあるスイッチは、高級感と先進感がバランスしています。シートにマッサージ機能があるなど、プレミアム感が得られるのもBMWならではでしょう。

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 走りはスポーティーそのもの。俊敏というだけでなく、4輪への荷重もわかりやすく、とても運転が楽しめます。また、パドルシフトは左にひとつだけで、それがブーストになっています。そのパドルを引くと、明確にパワフルになります。とても、メリハリがあって、システム・トータル出力200kW(272馬力)・494Nmというスペックを超える印象です。キレのいいスポーティーな走りこそ、BMWならではの魅力でしょう。

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 結局のところ「iX1」はBEVというよりも、BMWらしさが濃厚に感じられるクルマでした。BEVが増えたときに、BMWらしいスポーティーさが、大きな武器になるのではないでしょうか。

BMW「iX1 xDrive30 M Sport」の主なスペック
サイズ 全長4500×全幅1835×全高1620mm
車重 2030kg
乗車定員 5名
モーター フロント・交流同期モーター/リア:交流同期モーター
モーター出力 フロント140kW・247Nm/リア140kW・247Nm
一充電走行距離 465km
交流電力消費率 155kW/km
価格 718万円

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