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アップルのARグラス「Vision Pro」でスマホの次がハッキリ見えた! 「WWDC23」特集 第8回

アップル初のヘッドセット「Apple Vision Pro」はこれだ!【実機フォトレポ】

2023年06月06日 12時25分更新

文● 山本 敦 編集●飯島恵里子/ASCII

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6月5日(米国時間)、アップルの世界開発者会議「WWDC23」が米アップルの本社Apple Parkで開幕

 アップルの世界開発者会議「WWDC23」が、米アップルの本社Apple Parkで開幕しました。米国時間6月5日(日本時間6月6日)に開催された基調講演ではアップルが“空間コンピュータ”をうたう初めてのヘッドセット「Apple Vision Pro」や、15インチの「MacBook Air」、そして最強のAppleシリコン「M2 Ultra」を搭載するデスクトップマシン「Mac Pro」と「Mac Studio」の最新世代機が発表されました。

アップルの“空間コンピュータ”「Apple Vision Pro」

 新製品のフォトレポートを紹介します。まずは今回の“目玉”である「Apple Vision Pro」から。本日体験はできなかったものの、開発中の実機の展示がありました。

Appの表示拡大などに使うDigital Crownを本体のトップに搭載。側面の膨らみがスピーカーユニット

 Apple Vision Proは統合チップの「M2」と、ヘッドセット本体に搭載する各種センサーの情報を制御する「R1」という、新開発のAppleシリコンを1基ずつ搭載するデュアルチップデザインです。アップルがゼロベースで開発した空間コンピューティングデバイス専用のvisionOS上で、視覚・聴覚で楽しむ様々なデジタルコンテンツを楽しむ用途が紹介されました。

本体フレームのボトム側に各種センサーを内蔵

 基調講演の当日はハンズオンの機会がなかったため試せていませんが、ヘッドセットを装着したまま「視線トラッキング」「音声」「ハンドジェスチャー」による斬新なユーザーインターフェースを採用しています。

ユーザーの頭部に沿ってフィットするヘッドバンド。遮光パッドやヘッドバンドなどのパーツはモジュラーシステムによりカスタマイズも可能

 ヘッドセットを装着したまま、周りにいる人とのコミュニケーションが図りやすいように「EyeSight」という機能が採用されました。Vision Proを装着しているユーザーに人が近付くと、本体ディスプレイ部の外側にユーザーの両目を映し出して、コミュニケーションが受けられることを相手に知らせます。同時にユーザーが相手を認識できるよう、ヘッドセットに内蔵するカメラで外部環境の映像を取り込みながら片目4K解像度のディスプレイに表示します。

バッテリーパックを別筐体としたことでヘッドセットの重さを軽減。バッテリーパックは有線接続です。フル充電から約2時間の連続駆動ができるように設計されているそうです

WWDC23に訪れた大勢のジャーナリストで賑わうSteve Jobsシアター

 曲線デザインを活かした本体のフレームはアルミニウム合金。遮光パッド、視力矯正用のZEISSオプティカルインサートによる使用感の微調整ができます。さらに本体には、空間オーディオ再生にも対応するスピーカーユニットを内蔵しています。デバイスのセキュリティ認証には、ヘッドセットを装着したユーザーの瞳の虹彩を解析して認証に活用する「Optic ID」を採用しています。

 米国では、来年初旬から3499ドル(約48万円)で販売を予定しています。日本が含まれることは明言されていませんが、そのほかの国や地域では来年の後半からVision Proの販売が開始される予定です。

15インチのMacBook Airが発表されました

カラーは13インチと同じ4色展開。写真はミッドナイト

こちらはスターライト

 MacBook Airには、初めて15.3インチのLiquid Retinaディスプレイを採用する大型モデルが登場します。Apple M2シリコンを搭載。本体の薄さは11.5ミリ、質量は約1.5kg。13インチモデルとの違いはパワフルな6スピーカーサウンドシステムを内蔵しています。価格は19万8800円から。

M2 Ultraを搭載するMac Pro

 Apple M2シリコンの最上位のチップ「M2 Ultra」も、発表されました。そしてこの最強のチップが選べる第2世代のMac Studioと、アップデートが待望されていたフラグシップマシンのMac Proも6月13日に発売されます。Mac ProはM2 Ultraチップ搭載が標準仕様です。

Mac StudioはM2 Ultra、M2 Maxが選択できる第2世代機が登場

 

筆者紹介――山本 敦
 オーディオ・ビジュアル専門誌のWeb編集・記者職を経てフリーに。取材対象はITからオーディオ・ビジュアルまで、スマート・エレクトロニクスに精通する。ヘッドホン、イヤホンは毎年300機を超える新製品を体験する。国内外のスタートアップによる製品、サービスの取材、インタビューなども数多く手がける。

 

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