スポーツ寄りの運動性能
走り始めて驚いたのが、太いエキゾーストノートが聞こえたこと。音量はそれほど大きくはないのですが、イマドキのハイブリッド車に慣れていると「お? ヤル気ですね」とうれしくなります。そしてアクセルを踏むと、ダイレクトな反応に二度ビックリ。乗る前まで普通のセダンでしょ? とタカをくくっていたことを懺悔するとともに、心を入れ替えました。MAZDA3は、一般的なセダンが搭載するスポーツモードが、ノーマルモードという感じでしょうか。
スポーツというと「足がガチガチで……」と思われるかもしれませんが、そのような事はなく不快さ皆無。欧州車に近いといった印象でしょうか。ちょっと頑張りたくなる、そんな気にさせてくれるのです。タイヤはエコタイヤかな? と思いきや、ブリヂストンのTURANZA(トランザ)。TOURING・POTENZA(ツーリング・ポテンザ)がネーミングの由来で、ハイパフォーマンス系の車種に使われているもの。縦剛性が高く細かな段差を拾いがちですが、居住性や静粛性を維持しながらも、高いグリップが期待できるもの。アクセルのツキの良さと乗り味の良さゆえ、次第に「オジサン、ちょっと頑張ろうかな」とムラムラ。
マイルドハイブリッドの恩恵もあるでしょうけれど、トルクの太さは印象的。「え? このクルマ、ターボだっけ?」と戸惑うこと間違いナシ。ですがレスポンスよく上まで回るものですから「あ、これNAか」と。このNAとハイブリッドの組み合わせは大正解で、街乗りは快適でトルクフルながら、ワインディングや首都高に乗ったら積極的にパドルシフトをパチパチして、上まで回したくなる衝動を抑えるのは難しそう。
お楽しみのSPORTモードをオンにすると、アクセルのツキは一層よくなり、ATのシフトタイミングも上まで回すようになりますので、楽しさは倍増します。ずーっとこのモードで走りたいと思うことでしょう。オジサンは、あまりの楽しさに我を忘れて頑張ってしまいそうです。
でもメーターパネルを見ると、制限速度の表示が出たりするので「いやいや、ここは冷静に」とも。長距離ドライブに便利なクルーズコントロール系もバッチリOK。前走車もしっかり認識し、室内空間の良さと相まって快適な高速巡行が楽しめました。
ブレーキフィールもよいのが、MAZDA3のいいところ。乗用車的な初期制度を高める方向ではなく、速度のコントロール性に重きを置いたセッティングで、これまた◎。最近のマツダといえばSUVと勝手に思っていたので、この走りには正直驚きながら、この会社はスポーツ心を忘れていなかったんだと感動します。
気になる燃費ですが、もちろん走り方にもよりますが、約10~13km/Lといったところ。「ハイブリッド車にしては……」と思ったのですが、MAZDA3のモーターは、あくまで加速時などでアシストするという位置づけ。ですので、燃費に大きく寄与するものでないようです。そして給油リッドを開けて二度ビックリ。不勉強ゆえ存じなかったのですが、ハイオク専用車ではありませんか! これはSKYACTIV-Xの圧縮比が高いゆえのことでしょう。
【まとめ】まさに走りのセダン!
実用性とスポーツのいいとこ取り
MAZDA3の走りが想像以上の楽しさで驚いた次第。だからといって、飛ばさないと楽しくないのか? というと、そうではありません。普段乗りでも、運転が楽しいと思わせるのがMAZDA3の美質。サイズ感といい、乗り味といい、走りといい、すべての面でウェルバランスだから。日本の道にピッタリなのです。
そして、このウェルバランス感覚は、ロードスターを作り続けているからこそ得られたのかなとも。クルマの絶対パフォーマンスよりも、フィーリングを重視し続けたツボ感覚。一朝一夕で生まれるものではありません。継続は力なり、それがブランドというもので、ファンを作っていくのです。
ですので、若いロードスター乗りが、結婚し家族ができて子供が生まれて2シーターオープンから卒業せざるを得なくなった時、MAZDA3なら喪失感は少なく、むしろ乗りながら「オレもオトナになったなぁ」と、自身の成長を感じる……そんな気がします。しかもインテリアや操作性も近いですから、違和感は少ないですし、ファストバックのSKYACTIV-G 2.0にはMTがラインアップされています。
そして約20年が経って子育てを卒業したら、またロードスターに戻り、セカンドライフを楽しむ。なんと素敵な人生なのでしょう。まるで生命保険のライフプランみたいな話になってしまいましたが、そこまで妄想させるマツダのラインアップ。モノづくり革新の恐るべし!
ECUアップデートで出力向上や、アダプティブクルーズコントロールの制限速度変更させるサービス。クルマを長く使うのはもちろんのこと、リセールの面でもアリな気がします! ですが、それができるのもクルマそのものがイイから。そんなことを乗りながら感じました。
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