室内のディスプレーはタッチパネル
オーディオのクオリティーはさすがソニー!
操作は中央コンソールにあるジョグダイヤルとタッチパネルによって行なうが、ディスプレーを直接タッチして操作することも可能だ。表示を左右に入れ替えることもでき、たとえばカーナビのルート設定を助手席側でしたい時は指先でフリックすると、センターにあったマップを助手席側へと移動できる。また、走行中に動画コンテンツを見たいときは運転席から見えにくい助手席側へと映像を移動させられる
カーオーディオにもこだわっている。没入感のある立体的な音場を実現する「360 Reality Audio」を車載用として初めて実装。各シートにはこのシステムに対応したスピーカーが組み込まれ、4シートすべてで同じ状態でのサウンドが楽しめるのだ。デモソースでこのシステムを試聴してみると、従来のサラウンドとは違い、包み込まれるような臨場感を再現しながらも、ボーカルや楽器など演奏者の存在をしっかり認識できる。聞けばこの包み込まれるような音場も、なるほどOVALのコンセプトにつながっているのだという。
プロトタイプだが走行性能もまずまず
ボディーの質感は今後に期待
一通りのデモが終わった後、いよいよ走行となった。走行した敷地は全面に石畳が続いており、プロトタイプが走る条件としては少々酷な状態ではあった。それでも「VISION-S」はEVらしく、静かにスムーズに走り出した。路面からの音はもちろん伝わってくるものの、それ以外はプロトタイプらしい(?)ギシギシという音がするだけ。クルマ本来の音は極めて静かだ。
ただ、ドアを閉める音は質感がなく、ボディー剛性も今ひとつだったとも感じた。やはりプロトタイプの域を出るものではない。この状態で公道実験をするのは少々辛くないか? そう思って担当者に聞くと、驚くような答えが返ってきた。なんと、製造の委託先で次なる試作車を製作中であるというのだ。単にプロトタイプを一台作って済ませるというだけにとどまらず、しっかりとクルマとして走れるクルマを用意するという。この答えを聞き「やはりソニーは本気だ」。そう思わずにはいられなかった。
【まとめ】ソニーのIT技術だからこそできたVISION-S
「VISION-S」開発の責任者を務めるソニーの執行役員 川西 泉氏によれば「(VISION-Sを)販売する予定は今のところない」と断言する。しかし、開発の出発点は「移動空間として考えた時、ソニーとして何かできることはないかと考えた」ことにあり、それは「電動化への流れを示しているモビリティーはIT技術に長けたソニーとしての技術を活かせる」(川西さん)ことを示す。つまり、クルマの方向性を睨んだとき、ソニーが「VISION-S」で積んだ知見が活かせるときが必ずやってくる。ソニーはそのために本気でクルマの開発を始めたのだ。21世紀に相応しいクルマがソニーから生まれることをぜひ期待したい。
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