今回のひとこと
「2022年春に、EVの事業会社を設立し、EVの市場投入を本格的に検討していく。これにより、ソニーは、モビリティを再定義していくことになる」
ソニーモビリティ株式会社
ソニーグループは、2022年1月4日(現地時間)、米ラスベガスで開催されたCES 2022のプレスカンファレンスで、EVへの本格参入を発表した。
ソニーグループの吉田憲一郎会長兼社長CEOは、「2022年春に、EVの事業会社であるソニーモビリティ株式会社を設立し、EVの市場投入を本格的に検討していく」と宣言。ソニーのEVの事業化が現実的になってきた。
米国では、オミクロン株が猛威を振るうなか、主要大手企業が相次いで、CES 2022の開催直前にリアル展示を見送り、オンライン展示にすることを発表したり、プレスカンファレンスをオンラインに切り替えるといった動きが見られたりしたが、ソニーグループでは、リアル展示とともに、例年通り(オンライン開催となった2021年は除く)に、同社ブースでのプレスカンファレンスを実施。しかも、国内大手企業トップが軒並みCESへの訪問を見送るなか、ソニーグループの吉田憲一郎会長兼社長CEOは、自らが渡米し、プレスカンファレンスのステージに立った。
振り返ってみると、これだけの大きな発表だけに、吉田会長兼社長CEOが直接、現地から発信したかったというソニーグループ全体と、吉田会長兼社長CEOの強い思いがあったことが感じられる。
新会社は、EVのほかに、エンターテインメントロボットの「aibo」、プロフェッショナル向けドローンの「Airpeak」を含めた事業会社となり、「AIやロボティクス技術を最大限に活用して、誰もが日常的にロボットと共生する世界を実現し、人を感動で満たし、社会へ貢献することを目指す」という。

この連載の記事
- 第486回 国内製造業としては過去最大となる7873億円の赤字からの復活の先は? 日立
- 第485回 パナソニックは世間を知らないという樋口氏、独自色見せる経営を、初任給も世界最高水準に?
- 第484回 リコーがPFUを子会社化、サイボウズとも提携、一気通貫のデジタル化へ
- 第483回 Red HatはLinuxの会社だと思っていたが、こんなことも……
- 第482回 シャープの新CEOは44歳の若さ、健康、世界戦略、そしてHITO
- 第481回 20年以上前からAIを使った創薬に取り組むNEC、ベータコロナウイルス属に有効な次世代ワクチン開発へ
- 第480回 カンパニー制廃止のパナソニックが持株会社制ではなく事業会社制であるとする意味
- 第479回 データを使えていないからDXができない、Celonis
- 第478回 レジだけでなく、スーパーマーケットのビジネスモデルを持ってきた企業
- 第477回 ホンダとソニーの提携、馬車が自動車に変わった、それと同じぐらい大きな変化が今後来る
- 第476回 東芝、デジタル分野での経験が長い新社長
- この連載の一覧へ