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石川温のPCスマホニュース解説 第44回

マイクロソフトの強みはハード、ソフト、そしてAI:

「iPadは単なる板」だからSurfaceを開発した

2019年07月01日 09時00分更新

文● 石川温

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●iPadは意識したがアップルのマネはしていない

 「2010年にiPadが発売されたが、『これは単なる板で机の上では使いづらい』と感じた。食事をしながら『背面にキックスタンドをつければいいのではないか』というアイデアが浮かんだ。さらに『着脱式のキーボードはどうか』という案も浮かんだ。すぐにエグゼクティブであるパノス・パノイに提案。ゴーサインが出たので開発をスタートさせた」(ラルフ氏)

マイクロソフト デバイスデザイン担当コーポレートバイスプレジデント ラルフ・グローネ氏

 その後、キックスタンドの傾きが一段階から二段階、さらに無段階へと進化していく。また、キーボードも改良が加えられていった。

 Surfaceの特徴として「Surface Connect」という端子が存在する。いわば電源端子でマグネットで本体に固定されるようになっている。かつてはMacBookなどでもマグネットが採用されていたため、「マイクロソフトがアップルを真似したのか」かと思いきや、実はそうではないらしい。

 ラルフ・グローネ氏は「このやり方は、日本の炊飯器がヒントになっている」と語った。確かに日本の炊飯器やポットは、電源ケーブルと本体をつなぐところがマグネットになっていることが多い。引っ掛けてもすぐに外れるという点においては優れた工夫というわけで、Surfaceに取り入れられたというわけだ。

 ちなみに、ここ最近、多くのノートパソコンでUSB-Cが採用されている。SurfaceシリーズのなかではSurface GoがUSB-Cに対応するが、それ以外のデバイスでの対応はないのだろうか。

 「多くの人が様々なデバイスを使いたいと思っている。最新のテクノロジーがいいとは限らない。いまのところはSurface Connectのほうがいいのではないかという判断だ」(ラルフ氏)とのことだった。

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