評価されたのは“走り”の実力
では、走りはどうであったのか? それが「新プラットフォームによる進化した走り」だ。これは洗練という言葉が似あうものであった。やや重めのステアリングの手ごたえを通したクルマの動きは、タイトで忠実であるものの、全体としては落ち着きを感じるものだった。キビキビと動かすこともできるけれど、決してナーバスではない。静粛性も高く、フラットな乗り心地も上質だ。
新しいプラットフォームは、先代よりもホイールベースで+40mm、トレッドで前+43mm、リヤ21mmと大きく拡大。ボディーサイズも全長+70mm、全幅+25mmの全長4715×全幅1825mmとなったが、重量は55kgも軽くなっている。大きくなりながらも、軽くなった新プラットフォームが洗練された走り味の土台となっているのだ。
試乗した「330i」には、最高出力190kW(258ps)/最大トルク400Nmの2リッター4気筒ターボが搭載されている。このエンジンは、ゆったりと走っていれば、非常に静かで振動も少ないのだが、わずか1550rpmから最大トルクを発揮できるため、アクセルを強く踏み込めば、すぐに力強い加速に移れる。
どれくらい踏み込めばどれくらい加速するのかは、ドライビング・パフォーマンス・コントロールで調整が可能だ。「コンフォート」にセットすれば、ジェントルになるし、ダイナミックに走りたければ「スポーツ」をチョイスすればいい。個人的には、普通に走るのであれば「コンフォート」で十分。そもそも258馬力も必要なく、最高出力135kW(184ps)の「320i」でも十分にスポーティーな走りを楽しめることだろう。
ドライバーの意思を忠実に反映するハンドリングとパワートレインを備えた新型3シリーズ。その走りは、クルマを走らせる楽しさに満ちたものであった。そして、その楽しさこそがBMWの価値であり、「スポーツセダン」の神髄と言えるだろう。
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります
この連載の記事
- 第677回
自動車
「ついに911、お前もか…」伝統の変化を嘆く前に乗るべき、約2000万円の超ピュアな「カレラT」 - 第676回
自動車
メーカーチューンの理想形! 2L化した特別ロードスター「12R」が魅せる至高の人馬一体 - 第675回
自動車
街乗りは不便でも悪路走破性は最強! ファミリーカー目線で斬る「ジムニー ノマド」のリアルな実力 - 第674回
自動車
軽自動車なのにフラッグシップ級の充実度! 三菱・新型デリカミニの最新コネクテッド機能を徹底検証 - 第673回
自動車
【予算30万円台】車中泊もこなす神コスパ! 日産「ウイングロード」の中古を推したい3つの理由 - 第672回
自動車
さらばA110。プロが自腹買いする名車。最後の過激な限定車「アルピーヌ A110 R 70」の魔力 - 第671回
自動車
15年前のクルマと侮るなかれ! 燃費22.5km/Lの実力派、2代目ソリオを再評価する - 第670回
自動車
e-4ORCEでついに完成形へ! 35周年の日産のミニバン「セレナ」が選ばれ続ける理由 - 第669回
自動車
椅子が外れて広大な荷室に!? ルノー「グランカングー」は国産ミニバンとココが違う - 第668回
自動車
「NSXでキャンプ」は実在した!? テールゲートに荷物を詰め込むスーパーカー・アウトドアの衝撃
