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四本淑三の「ミュージック・ギークス!」 第25回

初音ミクに見る音楽の世代観 小林オニキスさんが語る

2010年06月19日 12時00分更新

文● 四本淑三

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諦めた人も帰って来てくれればいい

―― 最初に「できるものなら今すぐニコ動に上げたい」ということでしたが、あんまり間をあけると復帰のハードルが高くなるばかりですよ。

小林 やりづらくてしょうがないですよね(笑)。実はアルバムを出そうと思っているんですけど、今の感じだと夏以降になるでしょうね。これだけ長い間、出していなかったんだから、間に合わせで出すのは嫌だから。

―― そういえばボカロでフルアルバム出してないんですよね? 超有名Pなのに。

「ロスト・サマー」

小林 「はなとオニキス」名義ではありますし、こっそり「60th SUMMER OF LOVE」というシングルCDは作ったんですが。アルバムはサイハテの頃から考えていたアイディアがあって、配信じゃなくCDでやる意味も考えているつもりです。それと海外に出たい。海外にこの文化を持って出たらどうなるんだろうと。

はなとオニキス : 小林オニキス、はな(a.k.a. うさ)のデュオ・ユニット。アルバムは「ロスト・サマー」(2009)

―― おおっ! それは絵空事ではなくて、現実的なニーズでしょうね。YouTubeに転載されて、なぜかスペインあたりでは人気だし。

小林 それがインターネットのいいところだと思うんです。どんな可能性も諦める必要がないんですよね。諦めずに音楽を続けていける。

―― うんうん、それは確かにそのとおりですね。

小林 だから諦めた人も帰って来てくれればいいと思うんですよ。四本さんはどうなんですか?

―― う……ん?

小林 音楽やられてましたよね?

―― それは、ええと……。

小林 僕はいっぺん諦めている人間で、戻ってこられたのはボーカロイドのおかげです。こういう人はもっといるだろうし、上の世代の人たちが帰って来たら面白いと思うんですよ。70歳のおじいちゃんでも、ボーカロイドを使えば年齢関係ないわけですから。だからやれば面白いと思うんですよね。

―― はい、それでは読者の皆様も一緒に考えてみてください!



著者紹介――四本淑三

 1963年生まれ。高校時代にロッキング・オンで音楽ライターとしてデビューするも、音楽業界に疑問を感じてすぐ引退。現在はインターネット時代ならではの音楽シーンのあり方に興味を持ち、ガジェット音楽やボーカロイドシーンをフォローするフリーライター。

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