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四本淑三の「ミュージック・ギークス!」 第25回

初音ミクに見る音楽の世代観 小林オニキスさんが語る

2010年06月19日 12時00分更新

文● 四本淑三

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音楽系ニュースサイトの管理人だった

―― そういえばイントネーションが関西系ですけど、出身はどちらですか?

小林 三重です。身近なところに楽器屋がひとつもなくて、弦を買うのもひと苦労で。高校を卒業してからは京都の大学に行ってました。

―― ということは、ニコ動に投稿する前も音楽活動はされていたんですね?

小林 大学の時にバンドをやっていました。でもプロは無理だろうと、その程度のものです。曲はできていたんですが、発表できる場所もなく。そのうちフライヤーとかCDのジャケットを作る人がいなかったので、デザインの仕事をやるようになりました。

CDレーベル「LOiD」のロゴデザインも担当した

―― デザインが本業だったんですか?

小林 そうですね。インターネットが一般的になり始めてからは、バンドのプロモーション用のウェブページを作ったり。それで2001年くらいだと思うんですが、「ナフタリンズオオサカ」という音楽をベースにしたニュースサイトをやっていました。

―― 当時はいわゆるテキストサイトの全盛期でしたよね。ナフタリンズオオサカ、どうしちゃったんですか?

小林 全部消しちゃいましたね、跡形もなく。今のボーカロイド界隈で言えば「初音ミクみく」のようなものだと思っていただければ。当時はナタリーの大山卓也さんがやっていた「ミュージックマシーン」、津田大介さんの「音楽配信メモ」なんかが有名でしのぎを削っていました。

初音ミクみく : オンラインミュージックに限定したニュースサイト。名前のとおり、ボーカロイド「初音ミク」に関連した情報に強い

ナタリー : 若者の関心が高いカルチャーシーンを扱う、サブカル系ニュースサイト。漫画を「コミックナタリー」で、お笑い芸人を「お笑いナタリー」でとりあげる

Image from Amazon.co.jp
FL Studio 9 Signature Bundle

―― そこから「音楽をやる側」になったのは?

小林 あの頃の人たちが、いろんなところで活躍されるようになって、ぼくも何かやりたくなったんです。それで一度あきらめた音楽活動をしたいなと。最初はボーカルの方と一緒に組んでやってたんですけど、その活動も頓挫していたんですよ。そうしてくすぶっている時期にボーカロイドの存在を知って、これなら自分で完結できるなと思って。DTMにさわったことなかったんですが、「FL Studio」を買って使いはじめました。

FL Studio : 定番人気のDAW(作曲)ソフト。ネットミュージシャン・山本ニューさんも使用している

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