朝夕は秋の虫の声、昼間は夏の名残を惜しむセミの声が同居する季節になりました。そこで今回は、手ブレ補正や大画面ディスプレー、広角撮影などをウリにする新機種が各社から続々登場してきたコンパクトデジタルカメラにスポットを当てる。
読者のコンパクトカメラに一番求める機能とは?
Q:現在、レンズ交換式一眼レフタイプではない、いわゆる“(コンパクト)デジタルカメラ”をお使いですか?(携帯電話のデジタルカメラ機能は除く) |
9月2日まで実施していたアンケートでは、ASCII24読者のコンパクトデジタルカメラの所有率やスペック、次に買いたい機種やメーカー、ほしい機能について尋ねている。まず、コンパクトデジタルカメラの所有率を聞いた質問では、1台をメインで使っている方が最も多く54.7%、2台を使い分けている方も19.5%おり、3~4台が6.8%、5台以上という方も1.6%いることがわかった。一方、持ってはいても一眼レフタイプをメインで使うという方は6.5%にとどまり、一眼レフデジタルカメラが手ごろな価格になったといっても、普段の持ち歩きや撮影の手軽さからまだまだコンパクトタイプのデジタルカメラの人気は衰えていないようだ。
Q:手ブレ補正機能はありますか? | Q:お使いのコンパクトカメラのメーカー名をお教えください。<複数選択> |
そのスペックを聞いてみると、手ブレ補正機能はないという方が70.4%とまだまだ多く、光学式手ブレ補正機能付きカメラのユーザーは17.2%にとどまる。ソフトウェアによる手ブレ補正、方式不明の補正機能を加えても26%余りで、こうしたユーザーが今後手ブレ補正付きカメラを求めて買い替えてくる需要はありそうだ。
ちなみに、メーカー別シェア(複数選択)を聞いたところ、最も多いのがキヤノンで23.1%、次いでソニーの16.7%、松下電器産業の14.8%、富士写真フイルムとオリンパスの13.6%と続く。松下電器産業はLUMIXシリーズでほぼ全機種(一部を除く)に渡って光学手ブレ補正機能搭載を果たしており、富士写真フイルムは高感度+高速シャッターによるソフトウェアの手ブレ補正機能を売りにしたCM展開を図っている。シェア上位のキヤノンやソニー、オリンパスらがどのタイミングで手ブレ補正機能を多くのコンパクトカメラに搭載してくるかが、シェア争いの地図を大きく塗り替えるキーポイントになりそうだ。
今使っているカメラに対する不満を自由記述で聞いた質問では、“ズーム倍率の不足”“バッテリー駆動時間の短さ”“AF合焦までの時間や正確さ”“液晶ディスプレーが小さい”などの回答が目立ったが、中には“三脚穴がない”ことを不満に挙げる方も散見された。特に夏場は花火など夜の撮影シーンも多くなるため、奇麗に写すには三脚が必要! とアドバイスする記事も多いが、肝心のカメラ側に三脚穴がなければ意味がない。デザイン性も確かに重要な要素だが、カメラメーカーは撮影者の希望、特に“少しでも奇麗な写真を残したい”という声をしっかり聞き入れてほしい。
Q:デジタル一眼レフに関して、今後特に期待しているメーカーはどこですか? | Q:後、デジタル一眼レフカメラを購入する際に、特にチェックしたいポイントを3つお選びください。 |
続いて、次に購入したいカメラについて、どんなポイントに注目して機種を選択する(3つまで選択)か聞いてみたところ、多いのはやはり“値段”(47.4%)だが、それを0.2ポイント上回ったのが“手ブレ補正機能の搭載”(47.6%)だった。次いで、“レンズの光学ズーム倍率”(40.0%)、“大きさ・手に持ったときのフィット感”(34.2%)、“記録解像度”(28.4%)と続く。不満として上がった声が目に付いた“液晶ディスプレーの大きさ”(12.9%)は、機種選択の3大要素には含まれないようだが、おそらく同じ価格、ズーム倍率で手ブレ補正機能も持っていれば、液晶サイズを優先する、という気持ちは持っているのだろう。
最後に、次に購入したいカメラのメーカーについても聞いてみた。これはもちろん、質問したタイミングで新機種が発表されているか、といった時期的な問題もあるので、必ずしもメーカーの人気投票の結果、と言うわけではないが、回答は意外に集中し、キヤノンが55.9%、次いで松下電器産業が34.1%、ニコンの24.1%、ソニーの19.1%、富士写真フイルムの17.8%と続く。
そこで、次ページ以降では人気順に今年発表されたコンパクトカメラのニュースをピックアップすると共に、各社にアンケートをとって“この夏一番売れたコンパクトカメラ”とその理由、さらに3つのシチュエーションでの撮影における“お勧めの1台”を推薦してもらった。これからカメラを買う方には何らかの指針になれば幸いだ。