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日本SGI、『SGI LX 3000』シリーズ新製品発表会を開催──東大地震研に1号機納入を発表

2003年03月03日 00時00分更新

文● 編集部

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『SGI LX 3000』

日本SGI(株)は3日、先月5日に発表した『SGI LX 3000』シリーズの一般向け新製品発表会を開催した。発表会では、同製品の1号機が東京大学地震研究所に納入され、1日より稼働を開始したことが発表されたほか、SGIの製品戦略やパートナー戦略などが紹介された。



「最初の1台は日本で稼働開始」─日本SGI(株)代表取締役社長 和泉法夫氏

最初に挨拶した、日本SGI(株)代表取締役社長の和泉法夫氏は、『SGI LX 3000』シリーズについて、「本来ならば初代のItaniumプロセッサが登場した時に実現する予定の製品で、5年越しの製品」であると紹介した。

日本SGI(株)代表取締役社長の和泉法夫氏
日本SGI(株)代表取締役社長の和泉法夫氏

和泉氏は続けて、「本来なら時代の先端をいく製品を出すのだが、当初の予定より遅れたことで、グリッドコンピューティングが話題になり、ちょうどよい時期にリリースできたのではないか」との考えを示した。また、米国で販売される製品と名称が異なる理由については「日本では商標の問題で“Altix”という名前では販売できなかった。しかし中身は全く同じもの」と語った。

『SGI LX 3000』の注文状況については、「1月に米国で発表してから、すでに7件の注文があった」ことを明らかにした。また「最初のマシンが東京大学地震研究所に納入されている。このシステムは288GBのメモリと108CPUを搭載したもので、1日より稼働開始した」ことを発表した。

東大地震研のLX 3000
東京大学地震研究所に納入された『SGI LX 3000』。システムは64CPU(32CPU×2ノード)/128GBメモリ(64GB×2ノード)の並列計算サーバと、32CPU/128GBメモリの高速計算サーバ、12CPU/32GBメモリのフロントエンドサーバとなる。

MIPSマシンとの売りわけについては「『SGI LX 3000』はLinuxオンリーのマシン。IRIXを乗せるつもりはない。MIPSはItaniumの世界とはマーケットが違う。IRIXのアプリケーションをLinuxに移植するつもりはない。MIPSの良さを極めていくつもりだ」と語った。

「“ムーアの法則”に追いつかない分野を強化する」─米SGI CTO Eng Lim Goh氏

引き続き、米SGIの上級副社長兼CTOであるEmg Lim Goh氏が登壇し、SGIの技術戦略を紹介した。

米SGI 上級副社長兼CTOのEmg Lim Goh氏
米SGI 上級副社長兼CTOのEmg Lim Goh氏

Goh氏によると、米SGIの製品開発にあたっては、IHV、ISVのニーズと技術的なトレンドをベースにするという。特に技術的なトレンドについては、「“ムーアの法則”というのがあるが、インターコネクトのバンド幅や技術分野によってはその進歩についていけない部分がある。我々はその部分を強化し、連続的なイノベーションだけでなく、急速な革新による差別化で勝負する」と語った。

『SGI LX 3000』については、「HPC(High Performance Computing)分野では、データセットが非常に巨大化している。我々は巨大なグローバルメモリ上にデータセットを置いて、CPUなどの計算リソースをデータセットの方に持ってくることで、データセットの移動を最小化することを考えた。そのためにはこれまでのクラスタではデータセットを移動させなければならず、計算能力がGflops、Tflopsに上がってもパフォーマンスは向上しない。真のグローバルメモリが必要になる」と述べた。

今後の開発方針については、「高速なデータ転送を実現するため、銅線や光ファイバーを使用せず、空中を光転送する技術を研究している。また“cc-NUMA”(Cache Coherent Non-Uniform Memory Access)については、2007年に向けて次世代の技術を開発している」ことを紹介した。

3月中に『SGI LX 3000』を導入することが決まっている、東京大学生産技術研究所 計算科学技術連携研究センター長の小林敏雄氏は、自身が関わっている“戦略的基盤ソフトウェア開発プロジェクト”について紹介した。

東京大学生産技術研究所 計算科学技術連携研究センター長の小林敏雄氏
東京大学生産技術研究所 計算科学技術連携研究センター長の小林敏雄氏

“戦略的基盤ソフトウェア開発プロジェクト”は、100万ステップ規模の大規模なHPC用ソフトウェアの開発を通じて、基盤ソフトウェアの提供や人材育成、産学間の連携やベンチャー企業の育成を目指すというもの。複数の物理法則が絡み合った分野でのシミュレーションや、生物系計算科学、ナノテクノロジー計算科学といった分野をターゲットにしているという。小林氏は「日本の大学では、政治的な問題もあり、ソフトウェア開発は評価されなかったし、あまり関心を示してこなかった。しかし計算科学技術は共通の基盤となるものであるし、産業競争力の重要な要素だ。現在は並列計算や分散処理など新しいパラダイムが出てきており、巻き返しのチャンスだ」と語った。

また、『SGI LX 3000』については、「量子化学計算など、割と多くの計算をするグループがあり、そういったグループの要請で『SGI LX 3000』の導入を決めた。現在は動作確認や検証を行なっているところだ」と語った。

『SGI LX 3000』実機初公開!

発表会場には『SGI LX 3000』の実機が展示され、発表会終了後も多くの参加者が残って日本SGI関係者の説明を聞いていた。

フロントパネルを開けたところ Cブリック
フロントパネルを開けたところ。ラックの下半分に、4台の“Cブリック”(演算モジュール)と1台の“IXブリック”(基本モジュール)、2台の“Rブリック”(インターコネクトモジュール)が搭載されている。ラック右側に縦に設置されているのは電源モジュール。Cブリックのフロントパネル。『Origin 3000』のCブリックと同じパネルを利用しているそうだ。
インターコネクト 内蔵KVMスイッチ?
『SGI LX 3000』のバックパネルを開けて頂いた。白く太いケーブルが各ブリックのインターコネクト用ケーブルで、黒いのは電源ケーブル。「出荷時には弊社ですべて接続を行なった状態になっています。お客様サイドで構築頂くのは大変でしょうから。出荷時には電源を入れれば使える状態になっています」(日本SGIの担当者)とのことだ。ラックの最上部には、管理用ディスプレイやキーボードを接続するためのインターフェイスモジュールが搭載されている。これについても「お客様サイドでご利用頂くわけではなく、おもに我々が初期設定や導入後のメンテナンスを行なうためのもの」(日本SGIの担当者)だそうだ。

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