【LinuxWorld Expo/Tokyo 2001レポート】(その4) 日本SGI、IA-64対応システム『Silicon Graphics 750』発表
2001年05月31日 23時39分更新
日本SGIはIntel Itaniumプロセッサを搭載したLinuxマシン『Silicon Graphics 750』を、5月30日から行なわれているLinuxWorld Expo/Tokyoで発表した。
『Silicon Graphics 750』のスペックは以下のとおり。
- Itanium-733MHzまたは800MHzを最大2基搭載
- メモリ……最大16GBまでサポート(1GB DIMMがリリースされた場合。現在は4GBまで)
- HDD……最大90GB
- 動作確認済みディストリビューション……SuSE Linux、TurboLinux、Red Hat Linux
現時点では2Dグラフィックスに対応したグラフィックアダプタが搭載されており、3Dに対応したグラフィックアダプタは開発中。主に研究機関や製造業などでの科学技術計算や、Itaniumプロセッサを使用したシステム向けの開発プラットフォームなどとして用いられることを想定している。
記者発表
記者発表では、日本SGI(株)製品技術部本部長 戸室隆彦氏が壇上に立って説明を行なった。
日本SGI(株)製品技術部本部長 戸室隆彦氏 |
同氏はまず、『Silicon Graphics 750』の概要について述べた。本製品は現時点では64ビット版のLinuxだけをサポートしており、標準ではRed Hat LinuxのIA-64対応版がバンドルされる。また、SGIの、IA-64に最適化された科学技術計算ライブラリ(SCSL)をバンドルするという。このライブラリを用いることで、IA-64に対応した科学技術計算ソフトウェアの開発が容易になる。ほかにも、
- クラスタシステム構築や科学技術計算、ハイパフォーマンスコンピューティング分野のサポート提供
- ISV(独立系ソフトウェアベンダー)へのサポート
- オープンソースへのソフトウェア資産提供
などを行なうことで、今後のIA-64製品の導入がスムーズに行なわれるような環境を構築する考えだという。
SGIでは、Linuxのほかに独自のUNIXシステムである『IRIX』の開発も継続しており、『IRIX』で開発した新技術を安定化させた上でLinux上に移植してゆくことを考えている。また、今後は本製品のようなワークステーションと、現在開発されている「NUMAflex」と呼ばれる、各機能をモジュール化して柔軟なシステム構築を可能にするテクノロジーを用いた可汎性、可用性の高いシステムを中心にIA-64製品を発表するという。Linuxについては、「ビッグ・データ、ビッグ・コンピューティング、ビジュアライゼーションができるようなシステム」構築といった課題に対してソリューションを提供すると述べた。