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日本SGI(株)、UNIXサーバの新モデルを発表

2001年10月11日 17時43分更新

文● 編集部

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日本SGI(株)は、新しいUNIXサーバ「SGI Origin 300」、ディスクストレージ「SGI Total Performance 900 Storage System」(以下、TP 900)、「SGI Origin 300」を用いたクラスタシステム「SGI Origin 300 Cluster」を販売する。出荷は10月15日から。

今回発表された新製品。左のラックに収納されているシステムが「Origin 300」と「TP900」を利用したシステム構成例、右上が「Origin 300」、右下が「TP900」。

「SGI Origin 300」は、2または4基の64ビットMIPSプロセッサR14000-500MHzを搭載し、最大4GBのメモリ、3.5インチUltra160 SCSIドライブを2台搭載可能な2Uラックマウントサーバ。OSには「IRIX」を採用している。主な仕様は以下のとおり。

  • CPU……R14000-500MHz(2次キャッシュ2MB)×2~4
  • メモリ……512MB~4GB
  • SCSI……ホットプラグ対応Ultra3 SCSI 内部×1 外部×1
  • 内蔵ドライブベイ……3.5インチ×2
  • PCIスロット……フルサイズ64ビット 66MHz 3.3V ユニバーサルPCIスロット×2
  • ネットワーク……10BASE-T/100BASE-TX×1、L1ポート×1、「NUMAlink」ポート×1
  • グラフィックインターフェイス……XIOポート×1
  • そのほかの外部インターフェイス……RTO(Realtime Interrupt Output)×1、RTI(Realtime Interrupt Input)×1、115.2Kボー・シリアルポート×3、USB×2、
  • 冷却装置……N+1冗長冷却装置

SGIの「NUMAflex」コンセプトにより、I/Oモジュールやストレージモジュール、「NUMALink」モジュールといった「ブリック」を組み合わせることで、最大32基のプロセッサで32GBの単一のメモリ空間を利用するNUMA(Non-Uniform Memory Architecture)システムや、最大72基のプロセッサを1台のラックに搭載したクラスタシステムなど、目的に応じたシステム構成が可能になっている。

同製品の価格は、最小構成(2CPU、512MBメモリ、18GBディスク)で490万4000円より。

「TP900」ストレージシステム

同時に発表されたディスクストレージシステム「TP900」は、「SGI Origin 300」向けの追加ストレージブリック。2Uラックマウントサイズで最大8台のUltra160 SCSIドライブ(最大584GB)を搭載可能。価格は最小構成(18GBディスク)で126万3000円からとなる。

「SGI Origin 300 Cluster」

「SGI Origin 300 Cluster」は「SGI Origin 300」サーバを用いたクラスタシステム。クラスタの相互接続にはGigabit EthernetまたはMyrinet 2000を利用できる。128プロセッサまでのシステムは日本SGIで構築して納入することも可能だという。


記者発表会では、日本SGI(株)製品技術本部長である戸室隆彦氏が、「SGI Origin 300」と「SGI TP900」の概要や用途を紹介した。

日本SGI(株) 製品技術本部長 戸室隆彦氏

同氏によると、「SGI Origin 300」ベースのシステムは、LinuxベースのIAサーバクラスタと比較して、ハードウェアコストは高いものの、運用管理コストやサーバ設置スペースなどを抑えることで、結果的にTCOの低いマルチプロセッサシステムが構築可能になるという。

また、独自のプロセッサやOSを開発することについて、「自社で自由にスケジュールや仕様を決定できるので、IAサーバではできない自由度の高い設計が可能になるし、オープンソース製品と違い責任の所在が明確なので、問題に対処しやすい」と語り、Linuxサーバは「Origin」シリーズの補完的な位置づけであるとした。

適用分野としては、従来の同社製品の主要なマーケットである科学技術計算や画像処理といったプロセッサ能力が求められる分野だけでなく、I/Oの拡張性を生かしたメディアストリームサーバ用途にも提供するとしている。

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