日本SGI(株)は、IAベースのグラフィッククラスタシステム「SGI Graphics Cluster」を11月末から販売すると発表した。同システムは11月29日に行なわれた「SGI Solution3 Fair(ソリューションキュービック フェア) 2001」メインデーの展示会場で実際にデモが行なわれていた。
「SGI Graphics Cluster」のデモのようす。3台のディスプレイに単一のデータを完全に同期させて表示している。 |
このシステムは、1台のホストノードと複数のチャネルノードで構成される。ホストノードは外部入力の処理や外部との通信、チャネルノードの操作、管理を行ない、チャネルノードは描画のみを行なう。チャネルノード間での画像の同期はハードウェアで行ない、米NVIDIAのグラフィックカードに組み込んだ、「SGI ImageSync」技術が用いられる。この技術により、外部クロックをクラスタ内のすべてのグラフィックカードに送りピクセルレートを同期させるほか、フレームレベルの同期も行なう。また、「SGI DataSync」により、クラスタ全体でのデータの同期と共有を可能にしている。
日本SGI(株)では、同製品を主にフライトシミュレーターなどのビジュアルシミュレーション用途に利用することを想定している。
OSにはRed Hat Linux 7.1を採用し、ファイルシステムにはSGIが開発したXFSを採用し信頼性を高めている。バンドルされるソフトウェアは以下のとおり。
- データ同期ソフトウェア「SGI DataSync」
- クラスタ管理ソフトウェア「SGI SynaptIQ」
- OpenGL PerformernなどのAPI「Free APIs」
- 「SGI Cluster System」専用Perfly「Free Sample Code」
ハードウェアのスペックは以下のとおり。
- CPU……Pentium III-1GHz以上のシングル/デュアルプロセッサ
- メモリ……PC133 SDRAM
- ネットワーク……標準100BASE-T、オプションでGigabit Ethernet
- グラフィック……NVIDIA Quadro DCC
価格は、1ホストノードと2チャネルノードの構成で573万3000円から。
SGI Solution3 Fair 2001
11月29日に行なわれた「SGI Solution3 Fair 2001」メインデーイベントの展示会場では、「SGI Graphics Cluster」や、「SGI Visual Serving ソリューション」などの製品が展示されていた。
「SGI Graphics Cluster」のハードウェア。1ノードあたり最大2CPUまで搭載できる。1ノードのサイズは4U。 |
「SGI Graphics Cluster」の管理画面。すべてのチャネルノードに対してホストノードから同時にコマンドを実行したり、各ノードのCPU使用状況などをモニタすることも可能。 |
Itaniumを搭載したLinuxワークステーション「Silicon Graphics 750」 |