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日本SGI、Linuxに関する新事業戦略を発表。「これからはLinuxに力を入れていく」

1999年09月06日 00時00分更新

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 日本SGIはLinuxに関する新事業戦略を発表した。Linuxを選択した理由については、「オープンソースであるため、IRIXの機能を追加しやすい」、「UNIXライクなOSであるため、IRIXの機能が活かせる」、「ISVの参加によりアプリケーションの成長も期待できる」としている。

 SGIでは「Open GL」など先進技術を積極的にオープンソースに提供する取り組みを進めて来たが、今後はOSの分野でもオープン戦略が重要だと判断したという。IRIX(※1)で培かった技術をLinuxに反映させ、さらにその成果をオープンソースとし、公開していく方針。すでにSGIのチューニングにより、LinuxのTCP/IPのパフォーマンスは約2倍に向上しているという。また「Open GL-GLX」「XFS」の移植も進めていくことになっている。

 和泉日本SGI代表取締役社長は「Windowsに対抗しようという気持は特にない。まずは、今ある製品群を補完するものを作っていく」と語った。ただし「NTでは他のメーカーとの差別化がしにくい。これからはLinuxに力を入れていく」という発言もあり、LinuxへシフトしていこうとするSGIの方向性が感じられた。

記者発表
Linux戦略を語る和泉代表取締役社長。左は成井取締役副社長

 当面は、ローエンド向けにコストパフォーマンスに優れたIA-32ベースのLinuxを採用した製品を提供し、ハイエンド向けには今までどおりMIPSベースのIRIXを使用したOriginシリーズを提供する。ワークステーションに関してもすでに開発は開始されているが、詳細は未定。

 ローエンド向けといっても、米SGIではすでにLinuxを採用した32台の4CPUマシンをクラスタリングし、オハイオ・スーパーコンピュータ・センターに納入しているように、かなりパフォーマンスの高い構成をとることもできる。今回同時に発表された「SGI 1400L」では、最大64台のクラスタリングも可能で用途と予算に合わせて柔軟に規模を変更できる。

 また、サポート体制に関しても強化をはかり、今後はハードウェア、ソフトウェアだけではなく、マネージドサービス、コンサルティング、教育といったさまざまなLinux関連のサービスを提供していくという。

 採用するOSのベースは「Red Hat Linux 6.0」。それに、SGI独自の拡張を加えたものを「SGI Linux Environment with Red Hat Linux 6.0」として供給することを、米Red Hatとの間で合意している。

 なお、今回の新事業戦略の発表と同時に、OSにLinuxを採用したサーバ「SGI 1400L」が発表された。

 同製品には、ラックマウント・モデルとデスクサイド・モデルの2種類がラインナップされている。

SGI 1400LSGI初のインテルCPUのLinuxマシンSGI 1400L。

 スペックは以下のとおり。

  • Pentium III Xeon-500MHz、550MHz
  • 最大メモリ 4GB
  • PCIスロット 7基
  • 6基のホット・スワップ対応
  • Ultra2 SCSIドライブ・ベイ
  • 冗長電源

 価格は、最小構成(1CPU、512MBキャッシュ、256MBメモリ、ディスク無し)で153万円から。SGIでは、この製品の特徴を高い信頼性とし、実現するために、ECCメモリー、ホットスワップ可能な電源、ファン、SCSIデバイス等を採用している。

 また、ハードウェア的には同スペックでOSがWindows NTの「SGI 1400M」も同時に発表された。こちらは最小構成で170万円から。

※1 IRIX SGIが現在サーバ製品で採用しているUNIX系のOS

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