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あのクルマに乗りたい! 話題のクルマ試乗レポ第656回

日本で10番目に売れている輸入車がスウェーデンのボルボ「V60」って知ってた?

文●栗原祥光(@yosh_kurihara) 編集●ASCII

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ボルボ/V60(写真・取材のモデルはV60 Ultra T6 AWD Plug-in hybrid/919万円、試乗車はオプション込み978万530円)

 日本自動車組合(JAIA)が発行する「日本の輸入車市場2025」によると、ボルボ「V60」が「外国メーカー乗用車モデル別 新規登録台数トップ10」の10位にランクインされていました。通常、この手のランキングは新型車が上位に来るのが通例なのですが、現行V60が登場したのは2018年のこと。年次改良などがあったとはいえ、今から8年近く前の車種が販売台数ベスト10に入っているところに驚きです。

 その秘密は何か? V60を借用して、売れている理由を調べてみました。

【ボルボ V60が売れている理由 その1】
ライバルにはないグレード展開と価格

いきなり価格表

 V60の車内に価格表があったのですが、それを見てビックリ! オプションを入れたら限りなく1000万円に近いお値段ではありませんか。「こんな高いクルマが日本で10番目に売れている輸入車って……。世の中、お金持ちが多いなぁ」と思ったのですが、V60にはいくつかグレードがある様子。最も安価なのがマイルドハイブリッドの659万円。最も高いのがプラグインハイブリッドの919万円で、このクルマはプラグインハイブリッドモデルです。

 V60はステーションワゴン(エステート)タイプのクルマで、ボディーサイズは全長4780×全幅1850×全高1430㎜とのこと。メルセデス CクラスやBMW 3シリーズ、アウディ A5のステーションワゴンモデルがライバルになると思います。まずはお値段を比較してみましょう。

 メルセデス Cクラスのステーションワゴンは、ガソリンエンジンのマイルドハイブリッドモデル761万円から。人気のディーゼルエンジンのマイルドハイブリッドが778万円。BMW 3シリーズのステーションワゴンは、ガソリンエンジンモデルが715万円、ディーゼルエンジンモデルが808万円。

 一方、アウディ A5アヴァントはガソリンエンジンが624万円(前輪駆動)から。ディーゼルになると741万円(四輪駆動)になります。よって、ボルボのマイルドハイブリッドモデルの場合、メルセデスやBMWより安くて、アウディと同じような値段で買えるクルマといえそうです。

 なのですが、アウディの場合はオプションをあれやこれやを付けると、メルセデスやBMWと似たようなお値段に。ですが試乗車の価格リストを見た限り、ボルボはあまりメーカーオプションは必要としない様子。よって「ボルボってお買い得では?」と思ったりもします。

 続いて今回の試乗車であるPHEVモデルに目を向けると、これがライバル不在の独壇場です。というのも、ライバルたちはステーションワゴンタイプにPHEVモデルを用意していないのです。ちなみに、V60の国からの補助金(環境性能割減税額)は22万2500円、自動車重量税減税額は6万1500円です。

 充電はACのみで、急速充電は不可。18・8kWhのリチウムイオン電池を搭載しており、1回の満充電で91km走行できると謳っています。

 ライバルにあってボルボに用意されていないのがディーゼルエンジンモデルになります。ですので「長距離を頻繁に乗る人はドイツ御三家の方が、お財布に優しそう」といえそう。逆に駐車場に充電器が設置できるなら「短距離を乗るならボルボの方がオトク」となるわけです。

 ライバルより安く、そして走行シーンを選べばボルボという選択肢はかなりアリです。

【ボルボ V60が売れている理由 その2】
華美ではない内装

 車内に乗り込むと上品な空間が広がります。とてもシンプルで「なるほど、これが北欧デザインか」と感心しきりです。ドイツ御三家と違うのは、華美ではないところ。特にイルミネーション系はとてもシンプルで素っ気なさを覚えるほど。逆にドイツ系は「これでもか!」というくらいにLEDが灯ります。

 シンプルに見えるひとつに、センターディスプレーが大きくて多機能であることが挙げられます。ボルボは早い段階からGoogleと協業しており、使い勝手の面は他社を大きくリードしています。もちろん音声入力でもバリバリ使えます。

 使いやすい理由のひとつが、ホームボタンを設けていること。パッと見た時、わかりづらいのですが、色々とメニューを開いていったとき、元に戻るのがとてもラクなのです。最近のスマホにはホームボタンがありませんし、それに慣れたこともあります。でも、あったらあったで「やっぱりボタンはイイナ」と思います。

 ASCII.jpらしく、スマホ対応を見てみましょう。まずはAppleから。「Googleが動いているのにApple CarPlayを使う理由はあるのか?」と思いつつも、車両とつなげてみると、アッサリと動きます。ただし有線のみ。ワイヤレスのApple CarPlayには対応していませんでした。

 USB端子はアームレストの中にあります。繋げてみると、アームレストが薄く、また小さくて収納しづらいことが判明。車内を見回したのですが、ココ以外にスマホ置き場がないようで、ドリンクホルダーに突っ込むのがベストかなと思いました。

 また、Googleのシステムの上からAndroid AUTOを動かすのもなんですが、試してみました。まずワイヤレス接続は非対応。画面はゴチャゴチャして、運転中は見づらい印象。そもそも中身がGoogleのシステムなので、スマホをつなげる理由はローカルにある音楽を聴くことくらいでしょうか。

 インフォテインメントを触っていたら、YouTubeのアイコンを発見。さっそく試聴しました。ちゃんと映ります。ですがクルマが動き出すと画面は真っ暗になり、音声も止まります。つまり運転中の視聴は不可なのです。

 走行モードの切り替えは、ボタンではなくディスプレーで行ないます。運転中に操作できないじゃないか! という考えもありますが、そもそもスポーツモードにして云々というクルマではないので、このような仕様なのでしょう。わかりづらいかもしれませんが、Powerというのがエンジンを積極的に動かすモード、PureがEVになります。

 ステアリングはトラディショナルな3スポークで、ボタン類も少なめ。メーターパネル内にはマップが表示されるので、運転中に助手席の人が画面をいじっても困ることはないでしょう。

 後席は感動の広さで、レザーの質感も極上。ガラスルーフは後席までありますので、かなり解放感が得られます。その一方、シェードの生地が薄めなので夏場は暑さは大丈夫なのかと心配になったりも。

 センタートンネルはかなり背が高く、中央に座るのはちょっと大変かも。また車内で移動するのも難しいかもしれません。ですが、これはライバルたちも同様です。

 センターコンソールに送風口がないので「高いクルマなのに……」と思っていたら、Bピラーに送風口がありました。さらに驚いたのは荷室にも送風口があったこと。つまり車内で最も熱を持つであろう窓側から車内を冷やす(もしくは温める)という設計なのでしょう。中央に送風口を置いた場合と室温がどのように変わるかは不明ですが、かなり興味深いところです。

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