ダックスフンドのように愛くるしいビジュアル
昨年7月に発売されたホンダの「Dax TS125」は、1969年に同社から発売された「Dax」をオマージュしたモデルだ。その名のとおり、ダックスフンドをイメージしてデザインされたモデルで、その特徴である胴長短足を連想させる愛くるしいスタイリングで人気を博した。
そのDaxとほぼ同じスタイリングで登場したのだから、50代のライダーには「懐かしい」、20代のライダーには「愛くるしい」と、50年の時を超えて人気のモデルとなっている。
ただのノスタルジーではないシティランナー
自分にとってのDaxは独特のスタイリングで、70年代当時に走っていたのをよく覚えている。当時のDaxとの見た目の違いは、シートがチェック模様だったところと、マフラーカバーがメッキだったことくらいだろうか。懐かしい思いを抱きながらセルを回すと、思ったより静かにエンジンが回り出した。排気音自体の音量は低いものの、単気筒特有のトコトコした感じは伝わってくる。エンジンのフィーリングは、いい感じだ。
シーソー式ペダルを踏み込み、1速に入れアクセルを開けると、思ったよりパワフルに動き出す。そのトルクはかなり力強く、大柄の自分は普通の乗車位置でもフロントがリフトしてしまいそうなほどだ。エンジンはトルク重視にセットされているようで、回転を上げて走らせるエンジンではない印象を受けた。
太めのトルクとギア比の繋がりの良さで、加速が気持ち良く車速はスムーズに乗っていく。低めの回転で矢継ぎ早に踏み込み、4速までシフトアップすると制限速度内でも楽しめる味付けになっている。車格に対してオーバースペックとも思えるエンジンは、もう1速欲しくなるほどパワフルだ。
トランスミッションは4速ATなのでクラッチ操作の必要がなく、AT免許で乗ることができるのも魅力だ。これはスタイリッシュなシティランナーといった感じだ。
最大出力は約9.4ps、最大トルクは1.1kg/m、街中を走るには十分なスペックだ。そして走りの印象を印象付ける足回りも、前後にディスクブレーキを配しアルミホィールを装着させている。ただノスタルジーを楽しみたいのであれば、もっと安価に作れたはず。車体を含めた足回りは、ちゃんと走らせて止まらせる製作者の意図を感じることができた。しかも低速域では、単気筒エンジンの心地よさも感じられる。見た目の愛くるしさとは裏腹に、かなり走りにこだわっているバイクだと言えるだろう。
純正アクセサリーが豊富なので
自分流にカスタマイズできる
走りの良さもさることながら、やはりスタイリングの良さが際立っている。まず、Daxのシンボルとも言える、胴長をイメージしたバックボーンフレーム。排気口が真下を向くまで前傾したエンジンレイアウト、それに加えてタンデムバーやシーソーペダル、マフラーのデザインなどが懐かしさを感じさせる心憎い演出だ。
ただでさえ愛くるしくスタイリッシュなバイクなのに、純正アクセサリーパーツも充実している。端々のパーツをカスタマイズすることで、自分だけのDaxを楽しむことができそうだ。詳しくは下記のホンダサイトにアクセスしてチェックしてみよう。
2022年のモーターサイクルショーで発表され、どのような仕上がりになっているのかと思っていたが想像をはるかに超えた仕上がりになっていた。懐かしさや見た目で選ぶユーザーがほとんどだろうと想像したが、これはもう新しい令和のDaxと言える。
今回の試乗で令和のDaxは、走りが楽しい秀逸なバイクだと言うことがわかった。
■筆者紹介───折原弘之
1963年1月1日生まれ。埼玉県出身。東京写真学校入学後、オートバイ雑誌「プレイライダー」にアルバイトとして勤務。全日本モトクロス、ロードレースを中心に活動。1983年に「グランプリイラストレイテッド」誌にスタッフフォトグラファーとして参加。同誌の創設者である坪内氏に師事。89年に独立。フリーランスとして、MotoGP、F1GPを撮影。2012年より日本でレース撮影を開始する。
■写真集
3444 片山右京写真集
快速のクロニクル
7人のF1フォトグラファー
■写真展
The Eddge (F1、MotoGP写真展)Canonサロン
Winter Heat (W杯スキー写真展)エスパスタグホイヤー
Emotions(F1写真展)Canonサロン
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