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バイクの祭典「東京モーターサイクルショー」で見つけたカッコ良すぎるバイクたち

2022年04月09日 12時00分更新

文● 折原弘之 写真●折原弘之

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バイクはカッコ良くあるべし!

 3月25~26日に東京ビックサイトで日本最大級のバイクイベント「東京モーターサイクルショー」が開催された。49回を数えるこのイベントは、バイクメーカーからパーツ、用品メーカーまで参加するまさにバイクの祭典だ。新型コロナウィルスの影響で3年ぶりの開催となったが、出展社は150を超えた。そんな中から個人的に気になったバイクを紹介しようと思う。

懐かしのブルー系の3本ラインの入ったXSR700

900限定のゴロワーズを彷彿させるブルー系のXSR900

MT-09のY's GEAR仕様はクールだ

Y's GEAR仕様のR7も面白そうだ

一番気になったヤマハのバイク「MT-10」

 今回、一番気になったのがヤマハだ。すでに発表されている「XSR700」に、懐かしのカラーリングが登場した。このカラーリングは、RZが発売された当時のカラーリング。このカラーリングは、池沢さとし氏の描いたマンガ「街道レーサーGO」で主人公が乗っていた「RZ350」のカラーリングで、当時を知る人間には懐かしく思えるものだ。さらに同じXSRの兄貴分900ccモデルには、これまた80年代のゴロワーズカラーを彷彿させるブルーがラインアップされている。Y's GEARのMT-09特別仕様車とR7も、かなりクールにドレスアップされていた。

リニューアルした「MT-10」は、えも言われぬ存在感だった

 この秋から日本導入予定の新型「MT-10」も注目の存在だ。King of MTと位置づけられたこのバイク、圧倒的な存在感とデザイン性、もちろん走行性能の面でも抜きん出ていたように思える。MTシリーズ唯一の4気筒エンジンであったり、トランスフォーマーを彷彿させるフロントマスクなど、魅力的なマシンに映った。こういう個性的なバイクが増えてくると、国産モーターサイクルも活性化してくるように思える。

名馬「刀」と「隼」を擁するスズキ

フラッグシップに相応しい存在感の隼

 スズキと言えば、何と言っても「刀」と「隼」の2枚看板だろう。フラッグシップマシンである隼の存在感は、言うまでもない。その所以は何と言ってもその出力性能だ。1300ccを超える排気量で、188psを絞り出す。そして最高速は300km/hを超えると言われている。名車と呼ばれるには、驚きのあるギミックに加えストーリーが必要となる。隼はその性能に加え、まつわる逸話にも事欠かない。フラッグシップと呼ばれるにふさわしいマシンと言える。

電子スロットル化しカラーバリエーションの増えたニュー刀

 神話という意味ではもう一枚の看板、刀にも十分なストーリーがある。それは元祖刀が誕生した瞬間から、現在に至るまで語り継がれているデザインの話だ。その先代の刀の名を受け継いでいるのが現行の刀だ。80年代のデザインを踏襲したカウルからタンクにかけてのラインは、刀の名を冠するためには欠かせないラインと言える。そして肝心の走行性能だが、こちらも電子スロットルやパワーシフトなどブラッシュアップされた。

上質なツアラーに仕上がったGSX-S1000GT

 そして刀の兄弟車として発表された「GSX-S1000GT」。フレームやエンジンは刀のそれを流用しているが、見事に上質なツアラーに変貌させている。刀や隼とは違い、このGTはツーリングを楽しむ事に特化したバイクと言える。この辺のラインアップは、スズキの屋台骨を支えるバイクたちだ。

懐かしさのあるカワサキの「KB4」

 カワサキで言えば、やはり「KB4」(ビモータ)だろう。このKB4は、2021年にビモータの日本総輸入元とした契約したカワサキ。イタリアのカロッツェリアであるビモータと契約後、カワサキのフラッグシップとも言えるH2をベースにした「テージH2」を発表。「ニンジャ 1000SX」をベースにした、KB4は2作目にあたる。さすがにイタリア屈指のカスタムビルダーのマシンは、細部まで美しく量産ベースの市販車とは一線を画していた。

69年発売されたフォルムそのままと言って良いくらい懐かしく愛くるしいデザインだ

ホンダのダックスは期待を上回るデキ映え

 ホンダの戦略はズバリ、Back To 70sと言ったところか。目玉となったのは「Hawk11」と「ダックス」だ。まずはダックスだが、1969年に発売されたDAXを当時のスタイリングのまま、現代に復活させたイメージだ。ダックスフンドを模した愛くるしいスタイリングは、モンキーやゴリラと並ぶホンダが得意とする分野。発表前から話題になっていたモデルだが、期待を上回るデキ映えになっていそうだ。

70年代を彩ったHAWKの名を冠し、ロケットカウルをまとったカフェレーサーとして蘇った「ホーク11」

 もう一台の70sイメージである、Hawk11は70年代後半に発売された、ホークシリーズの名を冠したモデルのようだ。当時のホークシリーズは、CB400Tという名で400cc、2気筒と中型モデルの名商品だった。同じホークの名を冠しているとは言え、今回発表されたモデルは全く血がモデルと言っていいだろう。ホーク11はロケットカウルを装備したカフェレーサースタイルだ。このスタイルは、50代のライダーに訴えるには最高のデザインといえる。ダックスとホークを看板としたホンダのターゲットは、60代のリターンライダーに絞ってきたようにも思える。

海外メーカーのバイクも秀逸なデザイン多し

トライアンフ「ロケット3」は乗ってみたくなるバイクだった

 日本メーカー以外のバイクで気になったと言えば、トライアンフの「ロケット3」だ。スピードトリプル(SPEED TRIPLE)なので、同社の代名詞となっている3気筒エンジンを搭載。だがこのロケット3は、なんと縦置きの3気筒なのだ。とても気になる一台で、機会があればぜひとも乗ってみたいバイクである。

デザイン的に一番気になった「ブルターレ1000ニュルブルクリンク」

 デザイン的に一番気になったのは、MV AGUSTA「BRUTALE 1000 NURBURGRING」だろう。Motorcycle Artを掲げているだけにフォルムの美しさは秀逸だ。もちろん走行性能も最高峰と言って差し支えない。個人的にも一番美しいバイクを作るメーカーのひとつだと考えている。

 ほかにも紹介したいバイクがたくさんあった。3年ぶりに開催された東京モーターサイクルショー。多くのメーカーが、沢山のモデルを発表しており、見応えのあるイベントだった。これからも魅力的なバイクを作り続けて我々を楽しませてほしい。

■筆者紹介───折原弘之

 1963年1月1日生まれ。埼玉県出身。東京写真学校入学後、オートバイ雑誌「プレイライダー」にアルバイトとして勤務。全日本モトクロス、ロードレースを中心に活動。1983年に「グランプリイラストレイテッド」誌にスタッフフォトグラファーとして参加。同誌の創設者である坪内氏に師事。89年に独立。フリーランスとして、MotoGP、F1GPを撮影。2012年より日本でレース撮影を開始する。

■写真集
3444 片山右京写真集
快速のクロニクル
7人のF1フォトグラファー

■写真展
The Eddge (F1、MotoGP写真展)Canonサロン
Winter Heat (W杯スキー写真展)エスパスタグホイヤー
Emotions(F1写真展)Canonサロン

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