FIAT 500らしく元気に走る運動性能
それでは試乗することにしましょう。FIAT 500eにはe-モードセレクターと呼ばれるドライブモードセレクターが用意されています。それは「NORMAL」「RANGE」「SHERPA(シェルパ)」の3モードで、「NOMAL」は普通のクルマと同じ。ですが「RANGE」と「SHERPA」は、回生ブレーキが強くかかるモードで、ワンペダル動作に近い運転ができます。「SHERPA」は、さらに80km/hまでのスピードリミッターが働くほか、出力も87kW(118PS)から57kW(78PS)へと低減する超ケチケチモード。街乗りではコレで距離を伸ばすのもアリかも。
「乗り心地は全然違いますね。アバルトと違って、乗り心地がとてもよいです」と、アバルト 595コンペティツォーネの悪夢とは大違いの世界。地面からの突き上げは相応にあるのだけれど、それとてガソリン仕様のFIAT 500とは雲泥の差。それは床下に300kg近いバッテリーを積載していることよるのでしょう。ハンドリングも実に安定したもので、これまた軽量級のFIAT 500とは別物です。
イタリア車のよいところは、誰もが無条件で運転が楽しくなってしまうところ。それは電気でも変わることはありません。「このクルマ、ホントに楽しい!」と心の底から楽しまれているようです。そんな楽しさを演出するのがサウンド。FIAT 500eは加速時にモーター音ではなく、エンジンのような低音がかすかに響くのです。
楽しい時間はあっという間にすぎるもの。街乗りをちょっと試す程度で返却となりました。急速充電が対応できるようになったら、また借りてみましょう。その時は高速道路も走行してみたいですね。
可愛くてオシャレな電気自動車を求めているなら、このFIAT 500eはベストな選択。気になる金額ですが、シートヒーターやオートハイビーム、アダプティブクルーズコントロールなどのないPOPで450万、装備が充実したIconで485万、今回試乗したOpenでは495万。Honda:eと変わらないプライスなのです。
しかし販売方法がちょっと特殊で、基本的にリースのみ。POPが月々4万9800円の5年払い(ボーナス月は11万円☓10回)。「え? 毎月5万円なんですか?」と驚く部長。ですが、この金額には車検代のほか、3年目まではホイールをガリった時の交換費用も含まれています。ちなみにトヨタ初のBEV「bZ4X」も、リースのみです。「バッテリーが消耗するとか考えると、クルマはこういうリースのような所有の仕方になるんですかね?」とゆみちぃ部長は感慨に浸るのでした。
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