街乗りも楽しいスーパースポーツ
とにかく走らせたくて仕方ない唯さん。その一方で取材陣には不安がよぎります。たしかに彼女は色々なクルマを運転してきましたし、過去にはNSXよりも高額なスポーツカーを試乗したこともあります。ですがNSXは最低地上高11cm、車幅194cmというワイド&ローなクルマ。つまりバンパーを擦りやすいのです。擦ってしまったら楽しいドライブも……。
ですが唯さんは「このクルマ、視界がとても広くて運転しやすいですね」と言いながら、ラクラク運転。さらには「なんかスポーツカーのわりに静かですね。車高がちょっと低い普通車みたい」というではありませんか。NSXは「インテグレーテッド・ダイナミクス・システム」と呼ばれる走行モード切り替えスイッチが用意されており、「Quiet」「Sport」「Sport+」「Track」の4種類のモードが選択できます。
唯さんが乗り始めた時は「Quiet」で、エンジン回転数は4000回転以下に抑えられるとともに、低速域ではEV走行をメインとするもの。確かにとても静かで、シートポジションと車高の低さを除けばまるでサルーンカー。続いて「SPORT」に変更。これがノーマルモードみたいなもので、4000回転のリミットは解除。アクセルレスポンスもシャープになり、エンジン回転数も高めに保持するようになるのですが「なんか普通ですね」と物足りなさげ。
「街乗りは本当にジェントルですね。不満はないですけれど、不満がないことが不満といいますか……。もっと刺激が欲しいです」という唯さんに怖さを感じたスタッフ一同。そして首都高を経由して東名高速へ。ここで唯さんはSPORT+にモードチェンジ。ステアリングがスポーツ寄りに変化するとともに、排気音が刺激的なものに。
「コレですよ! コレを求めていたんですよ!」と唯さん。「この感覚が欲しかったんですよ。こうじゃないと!」と満面の笑みを魅せた彼女に狂気を感じるスタッフ一同。ですが、この日の東名高速は混んでおり、港北PAを抜けたあたりから渋滞に……。「確かに渋滞中に、このドロドロした排気音はイヤですね」ということで、再び「Quiet」にチェンジ。「こういう時には、このモードですね」ということで、大和トンネルまでのんびり走るNSX。こういう時のスポーツカー運転って、結構ストレスになりがちですが、NSXはそうではなく快適だったりします。
唯さんの目に輝きが戻ったのは、秦野中井ICを過ぎたあたりから。再びSPORT+へと変更し、中井PA付近のダウンヒルを楽しんだ後、大井松田ICの先の右ルートへ。山北区間を気持ちよく走ります。「これは楽しいですよ」とご機嫌です。「正直、NSXを運転することに不安がなかったわけじゃないんですよ。でも普通に運転できるし、何より楽しいです。高速道路というか一般道では、そのパフォーマンスの数パーセントしか発揮できないと思うんです。でも、本当はもっとすごいという息吹みたいなものは感じさせてくれます。スーパースポーツというのは、そういう余裕みたいなものを感じながら、のんびり走る世界なのかもしれません」。唯さんはご機嫌になると饒舌になります。
御殿場ICを降りて、NAKAJIMA RACINGに到着した唯さん。ですが第一声は「お尻が痛い……」と、まさかの一言。「このシートのクッションが硬いみたいで……」ということで、お尻をさすっている姿が印象的でした。ちなみに男性スタッフはお尻、痛くなかったですよ。
ファクトリー取材記事が出た後、サーキットでレースクイーン業務をしていた唯さんに、NAKAJIMA RACINGのスタッフから「あの日、NSXで来られたんですか?」と声をかけられたとか。おそらくレースクイーンでNSXを運転したことがあるのは唯さんが初めてでは? そろそろSUPER GTもシーズン後半に突入します。より一層、NAKAJIMA RACINGの応援に熱が入ることでしょう。
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