操作系の洗練度の高さが光る新型Cクラス
今回の試乗で最も印象深かったのは、操作系の洗練度の高さです。新型「Cクラス」は、運転支援系やオーディオ、メーターの操作などのスイッチをステアリングのスポークに集約してあるのが特徴です。縦型の大きなセンターディスプレイはタッチパネルとなっており、そこで操作するのは、カーナビやエアコンの設定などで、運転中にとっさに使うものではありません。
一方、昨今のメルセデス・ベンツはフロアシフトではなく、ハンドル右にあるコラムシフトを採用しています。つまり、シフト操作をはじめ、運転中にとっさに行なうほとんどの操作が、ハンドルから手を離さないでできるようになっているのです。また、運転手の左側、フロアトンネルの上には操作系がなにもなく、あるのは収納だけ。つまり、運転中の視線移動が少なく、よそ見をしなくてよいようなレイアウトになっているのです。運転支援やコネクテッドなど、機能が増え続ける最新のクルマのインターフェースとして、使いやすくて安全。なんとも洗練された操作系となっているのです。
また、インテリアの先進性と上質感も新型「Cクラス」の大きな魅力でしょう。メーターとセンターコンソールにある大きな2つのディスプレイを中心に、レザーとクローム、カーボンを使ってモダンさと若々しさ、上質さを上手に表現しています。トンネルなどで室内が暗くなると、メーターの裏などでアンビエントライトがほのかに光り出すという演出も見事なもの。ワクワクした気分にさせてくれます。
走り出すと、低速から力強く、そして非常にスムーズ。9速ATのシフトチェンジの息継ぎは感じられません。とても巧みにISGのモーターアシストを使っているのでしょう。これは、ディーゼルでもガソリンエンジンでも同じ。もちろん、低速の力強さはディーゼルがひとつふたつ上だし、ガソリンエンジンは高回転の伸びの良さが上という違いはあります。でも、どちらのエンジンも存在感をあまり主張せず、ジェントルな振舞いを見せます。速い! というのではなく、力強くてスムーズというパワートレインです。
新たに追加されたクロスオーバーの「C220d 4MATIC オールテレイン」は、車高が高められていることもあり、若干、上下の動きが大きく感じられました。きれいな舗装路の走りだけで比べれば、やはり普通のセダンやステーションワゴン方が、フラットでスムーズな乗り心地です。ですが、足元の悪い場所や段差を超えるときの「C220d 4MATIC オールテレイン」の気安さも捨てがたい魅力。カジュアルな雰囲気もありますので、スキーやキャンプなど、アクティブにクルマを使いたい人にはオススメです。
新型「Cクラス」の試乗を振り返れば、「メルセデス・ベンツらしさ」をあちこちに見つけることができます。力強く、安定感と安心感たっぷりの走りは、いかにもメルセデス・ベンツらしい部分。運転支援システムも充実しているので、長距離ドライブでの疲労は、非常に小さなものになるはず。
そして、運転席に座ったときに、先進と上質感、そしてプレミアム感がひしひしと感じられ、「最新のプレミアムカーに乗っている」ことを強く印象づけられます。こうした印象が残ることこそ、世界有数のプレミアム・ブランドであるメルセデス・ベンツならでは。長く、メルセデス・ベンツのベストセラーの座を守っていた「Cクラス」の底力を感じる試乗となりました。
筆者紹介:鈴木ケンイチ
1966年9月15日生まれ。茨城県出身。国学院大学卒。大学卒業後に一般誌/女性誌/PR誌/書籍を制作する編集プロダクションに勤務。28歳で独立。徐々に自動車関連のフィールドへ。2003年にJAF公式戦ワンメイクレース(マツダ・ロードスター・パーティレース)に参戦。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。見えにくい、エンジニアリングやコンセプト、魅力などを“分かりやすく”“深く”説明することをモットーにする。
最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。毎月1回のSA/PAの食べ歩き取材を10年ほど継続中。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 自動車技術会会員 環境社会検定試験(ECO検定)。
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