アクセルもブレーキもレスポンスが鋭い!
ハンドルも硬くて硬派な走り
「あの、本当に運転しないとダメですか? 運転したということにしてくれません?」と乗る前から怖気づく部長。ジョン・クーパー・ワークスに対するトラウマもあるのですが、実は取材日が大雨洪水警報が発令されるほどの豪雨で、前がほとんど見えない状態なのです。「こんな雨の日に、この前よりも馬100頭分も多いクルマを運転させるなんて……」と、涙目になって訴えるますが、当然却下。運転してください(※もちろん安全を確保したうえで運転しています)。
室内に乗り込むと、ほかのMINIとあまり変わらない空間が広がります。「パッと見た時、運転席のメーターが液晶画面である事以外、特にほかのMINIと違いはないといいますか、座った瞬間にMINIの世界でイイですね。でもこの液晶メーター、なんか中心からズレているんですけれど」というのが部長の第一印象。確かに中央からズレて配置されているのですが、それによって逆に見やすくしているのかもしれません。車両中央には円形の細工と共にナビ画面を置くという点も同一。ドイツらしさを感じさせるクロームメッキのスイッチ類も同じです。
ブレーキペダルを踏んでイグニッションオン。ヴォンという野太い排気音が室内に轟きわたります。クルマ好きで走り好きの人ならテンションが上がるのこと間違いナシのイイ音ですが、部長は小さな体をこわばらせ、さらに小さくなってしまいました。シフトポジションをDにして、サイドブレーキを解除。ブレーキペダルをリリースすると、ジョン・クーパー・ワークス クラブマンはゆるゆると進みます。そしてステアリングを回した途端「このハンドル、めっちゃ硬い!」と部長は悲鳴に似た声をあげます。確かに国産車でここまで重たいハンドルのクルマは、スポーツグレードでもないかもしれません。
そしてアクセルを僅かに踏んでクルマを車速に乗せていきます。「アクセルコントロールが難しいといいますか、ラフに扱うとエンジンブレーキが強く効きすぎるというか、カックンしちゃうんですよ」という部長。それはブレーキも同じで「ちょっと踏んだだけで、結構効いてカックンしちゃう」と、かなり神経をつかわれているようです。でもカクカクしない、実に丁寧な運転です。
「ここまでの雨の日に運転したことがないのですが、本当に前が見えないんですよ。あと、ルームミラーが大きいのか、前が見づらいように思います」と部長から意外な発言が。ルームミラーはETCカードリーダーと兼ねているので他のクルマに比べると大きいことには違いないのですが、そこまで大きいかというと……。どうやらナビ画面の上側とルームミラーの下側との間の空間が狭いことが不満のようなのです。ですが、これはイマドキのクルマあるあるで、慣れな気がします。
足回りはBMWらしい重厚さを感じさせるもの。4つのタイヤが地面に根を下ろしたかのごとくの接地感で、ボディー剛性の高さと4WDシステムにより雨の日でも安心です。ですが、部長は「弱虫ペダル」という表現がピッタリの、ちょっと踏んではすぐ戻すを繰り返すおっかなびっくりの走り。
乗り心地はというと、スポーツタイヤで低扁平のためかロードノイズは大きめで、硬さを覚える仕上がり。これらはクルマ好きであったり、運転している人ならまったく気になりませんが、クルマに興味がない人からすると気になるかもしれません。ゆみちぃ部長は、硬い乗り心地やロードノイズに関しては、さほど気にならなかったようです。
部長が運転する前、部員達はMINIのジョン・クーパー・ワークスを散々運転していたので、その寸評をここで記したいと思います。このクルマに関して重たいステアリングと硬い足から「ゴーカートフィーリング」という表現を見かけますが、実際に乗ってみるとゴーカートというよりは、スグにサーキット走行ができるカップカーという印象を受けました。そしてジョン・クーパー・ワークスに触れながら「ひょっとしたらBMWよりも駆け抜ける歓びが味わえるのかもしれない」とも。それはジョン・クーパー・ワークスの方がBMWのMスポーツよりも刺激的なセッティングに感じたから。山椒は小粒でもピリリ……というたとえ話は、ジョン・クーパー・ワークスにピッタリだと断言できそうです。
特にパドルシフトを使って、積極的にクルマを操ろうとするほど、このクルマは輝きを増していきます。こういうクルマって減ってきたなぁと寂しく思っていたのですが、僕たちにはジョン・クーパー・ワークスがある! とうれしくなりました。走るのが大好きなASCII.jp自動車部員、このクルマ大好きですよ。
次第に運転に慣れてきた部長。ここで3種類ある走行モードのうち、SPORTに切り替えることにしました。部員Kがスイッチで切り替えようとするのですが「押すなよ、押すなよ」と、部長は大きな目で訴えます。ですが容赦なくスイッチオン。いっそう排気音はより図太く、足は硬く、スロットルレスポンスも鋭く、ステアも重い方向へと変化します。「うわぁ……」と言葉を失う部長。減速帯の振動が、小柄な部長に容赦なく襲い掛かります。そしてシフトタイミングがローギア―ド化されたためか、アクセルを離すとすぐにエンジンブレーキが効くようになり、結果ガクガク運転。「こ、これ……難しいです」と、いっそう弱虫ペダルに。
ですが、それとて暫くすると慣れて「アクセルを踏むと排気音が高まって、たしかにハマるかも!」と、スポーツ系車両の楽しさに目覚めはじめた様子。「今日は雨で視界が悪いから、アクセル踏み込んだりできなかったけれど、スポーツグレードを好きになる気持ちがわかった気がします」と一定の理解は得られたことが、今回の試乗で最大の収穫となりました。これなら「ジョン・クーパー・ワークスという選択」をしてくれるかも、と部員一同はよい返事を期待したのですが「その選択は、今のところない!」と笑顔できっぱり。誠に残念です……。
もっと乗ってもらえれば、もっと好きになってくれると思う手ごたえはあったのですが、時間を増すごとに視界が悪くなる上に、部長が午後から本業のお仕事があったため試乗終了。「MINIに乗って気になっているのは、遠くへ出かける時になんですよ。高速道路に乗った時、MINIというクルマは疲れないのかなぁとか」と、部長は実際にクルマを使う時のシチュエーションで判断してみたいようです。より積極的にクルマに触れたい部長をうれしく思うとともに、取材方法やルートを考えないとなぁ、と部員は頭を悩ませ始めたのでした。
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