ずーっと「+R」モードで走りたい!
走行モードはコンフォート、スポーツ、+Rの3段階。アクセルペダルに対するスロットル開度のほか、VSA、TCSの制御、サスセッティングなどが変わります。またメーターパネルの表示も変わります。
走行モードは、イグニッションをONにするとスポーツが選択されますが、まずは唯さんに助手席に座ってもらい、コンフォートモードで試乗を開始。一般的な乗用車と比べると足は硬めなのですが「思ったより乗り心地がよいんですね」と唯さん。室内も静かで、大きな声で話をしなくても会話ができるのも美質です。そうこうして、試乗場に到着。唯さんにステアリングを託すことにしました。
まずはスポーツモードから。唯さんの運転はとても丁寧で、スムーズな変速操作でするするっと速度を上げていきます。こんなに運転が上手いの? と驚く我々。さすが八方ヶ原で鍛えた腕は伊達では何でもないようです。東堂塾に入門していたのでしょうか?
「視界が広くて運転しやすいですね」と唯さん。ひとたびアクセルを踏み込めば怒涛の加速をするTYPE Rを、いとも簡単に操ります。「このクルマ、とてもイイですね。路面に吸いつくような一体感のあるハンドリングが気持ちいい」とのこと。
マイナーチェンジ版では、フロントグリルの開口面積拡大とラジエーターの改良、フロントブレーキディスクの2ピース化に加えて、アダプティブダンパーの制御変更(サンプリング周波数向上による緻密化)、フロントコンプライアンスブッシュの高減衰化、リアロワアームブッシュの高硬度化、フロントロワアームジョイントの熱処理によるフリクション低減……、といったサスペンションの熟成が行なわれたのですが、その違いは、レーシングな領域ではなく、一般道でも効果てきめん。速さの面では変わりないのですが(というか、違いが体感できない)、足の良さは明らかにマイチェン版が上。料理で言えば、最後の隠し味が絶妙で丁寧な仕事ぶりといったところ。とにかくクルマが路面に吸い付いている、接地感があり安心してコーナーに挑める、走れるというわけです。
小気味よくシフトワークを繰り返す唯さん。ここで「4速から2速に落としてみて」と振ってみることにします。「え? シフトショックでガクッとしませんか?」と言いながら恐る恐るしてみると、自動的に回転数を合わせてブリッピングをするではありませんか! シビック TYPE Rには、このモデルからレブマチック・コントロールと呼ばれる自動ブリッピング機構が付きました。「おぉ! ヴォンというの、すっごくカッコイイ! 私、ヒール&トゥの練習をして、まだ下手なんですけれど、こういう風にシフトダウンできるのは凄く憧れます!」と目をキラキラさせる唯さん。
これを使えばブレーキングに集中できるようになりますし、なによりガクガクさせずに済みます。さらに言えば、オートブレーキホールドと併用すれば、ほとんどAT車並みの扱いやすさ。MTだからと恐れずに、TYPE Rの世界が楽しめるというわけです。
そしてお楽しみの+Rモードへ。「おぉ! 排気音が変わりましたね!」と唯さん。低く轟くエキゾースト音はかなり好みの様子。そしてアクセルを踏み込むと、VTECエンジンが覚醒したかのような、怒涛の加速を魅せ、クルマ好きの唯さんは最高の笑顔に。「これは凄い! 凄すぎます!」と、流石にひるんでしまった様子。「普段ビビリなので、そんなにアクセルとか踏まないですけれど、これは怖い位に凄いんですけれど、とても楽しい!」。
足はかなり引き締まり、大きなギャップが骨身にしみるのですが、ひび割れたアスファルト程度なら、実にスムーズに走るではありませんか。とはいえ一般道でコレはちょっと……と思っていたら「ちょっと硬くなってますけれど、全然平気」と唯さんは若さでカバー。むしろ「ずーっと+Rモードで走っていていいですか?」とお気に入り登録した様子。さすが東堂塾出身者です。
【まとめ】こういうクルマの火を消してはいけない!
「凄く楽しかったです。こういうクルマがもっと増えたらいいのに」というのが唯さんの感想。MT車の数は減ってしまいましたし、今後さらに減ってしまうことでしょう。ですが、Hondaと共にニュルブルクリンクFF最速の座を争うルノーから、メガーヌR.S.の最上級仕様トロフィーのMT仕様が日本に上陸しましたし、きっとHondaも11代目TYPE RにMT設定をしてくれるハズ!?
脱炭素化の流れで、ハイパフォーマンスなスポーツカーが登場しづらい世の中になってきました。ですが、2030年から施行されるといわれる純ガソリンエンジン搭載車販売禁止までは時間があります。FK8型のタイプRが相当良いクルマなのですから、次のタイプRもきっと素晴らしいハズ!そして純ガソリンエンジン搭載のラストRとして、期待せずにはいられません!
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