CIVIC TYPE Rが終わる前に
改めてその実力を体験した
今夏、ホンダはCIVIC TYPE R(以下、シビックR)の受注を近々終了すると発表した。すでにホームページにも「※まもなく販売終了となります。詳しくは販売会社にお問い合わせください。」と明記されている。そこで今回、間もなく手に入れることができなくなってしまうシビックRをレビューすることにした。
「TYPE R」とは、数あるホンダ車の中で、もっともスポーツ性能が高いモデルに与えられる、いわば究極のホンダスポーツの称号である。NSX(NA1)を皮切りに、インテグラ、アコード(欧州のみ)、そしてシビックにも設定されたTYPE Rグレードは、標準グレード車に比べ、より高性能なエンジンやブレーキ、サスペンションなどが与えられ、さらに車体の一部をアルミやカーボンFRPへと置き換えることによる軽量化、ボディーにも剛性向上のため補強が施された、まさに「走りを愉しむため」の1台だ。
走りを愉しむための軽量化を突き詰めた結果、エアコンやオーディオといった快適装備も軽量化故に取り外されたこともあり、そういったストイックさがマニアの心を掴んだ。
さらに、TYPE Rのエンブレムと共にホンダの赤いバッジが与えられ、何十年にも渡りフラグシップ的な役割をはたしてきた。それゆえ車好きならば、一度は手にしたいと思っただろうし、ホンダファンの中には愛車に赤いバッジを貼る人もいるほどだ。
そんな究極のホンダスポーツの称号は、2011年にFN2型シビックの生産が完了したことで、我が国で一旦終わりを迎えた。多くの車好きはTYPE Rの終焉に時代の流れと「いつまでもあると思うなTYPE R」と思ったことだろう。筆者もその一人だ。
だが、シビックRはFK2型で大きく進化して戻ってきた。しかも単なるスポーツグレードのみならず、ニュルブルクリンク北コースにおけるFF市販車最速という記録を打ち立てて。そんなFK2型シビックRは2015年10月28日、750台限定で販売。久しぶりのシビックRをクルマ好きが見逃すわけがなく、購入に10倍を超える応募が集まった。これだけの人気車なのだから再生産するのでは? とも思われたが残念ながら750台で終了。やはり「いつまでもあると思うなTYPE R」だった。
それから約2年後の2017年9月28日。前年フォルクスワーゲンに奪われたFF市販車最速の称号を取り戻したFK8シビックRが登場。しかも、限定ではなく通常の販売。「FF最速」を手に入れられるチャンスに、販売前から予約が殺到したそうだ。だが、わずか2年で終売。3度目の「いつまでもあると思うなTYPE R」だった。
ホンダに「具体的にいつ終売するのか、後継モデルは登場するのか」と尋ねたが、残念ながら答えはノーコメント。だが2019年4月にルノー「メガーヌR.S.トロフィーR」にニュル最速の称号が奪われた事から、負けず嫌いのホンダのこと、必ずや奪還したTYPE Rを登場させてくるに違いない。
シビックRは世界的に盛り上がりを見せているツーリングカーレースの「TCR」クラス車両としても使われている。TCRクラスの車両規定は排気量2000cc、最大出力350馬力までの4気筒ターボエンジンを搭載した4ドアまたは5ドアのFF車両で、ハイブリッドシステムは禁止。ホンダの他にも、フォルクスワーゲン、アウディ、アルファロメオなどが参戦している。日本でもスーパー耐久シリーズにTCRクラスが設けられ、シビックTCRは過去3年、クラスチャンピオンを獲得してきた。こうした事からも次期シビックRに期待が持てる。
だが、世の中に絶対という言葉はないのも事実で、それは歴史が証明してきた。やはりTYPE Rは手に入れられるうちに入手すべきクルマなのだ。
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