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あのクルマに乗りたい! 話題のクルマ試乗レポ第106回

メルセデス・ベンツ「Sクラス」が世界中で高級車と認められているワケ

文●鈴木ケンイチ 編集●ASCII

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乗って感じるSクラスのスゴさ

 試乗は3リッターのガソリン・エンジンを搭載する「S500 4MATIC」。お値段は車体価格1375万円にオプションが434万4000円。保証などをプラスすると1864万4000円となります。まさに高級車プライスです。ちなみにラインアップはディーゼル・エンジン搭載の「S400d 4MATIC」が1293万円、ロングボディーの「S400d 4MATICロング」が1678万円。ガソリン・エンジンの「S500 4MATICロング」が1724万円となります。

 そんな新型Sクラスに試乗して感心したのは、当たり前のように走りが良くて、高級感が感じられたこと。言ってはなんですが、これまで取材で何度も1000万円クラスのクルマに試乗しています。正直、ちょっとやそっとでは“さすが!”と驚きません。しかし、新型Sクラスは、やっぱり正直にすごいなと思わされました。

 まず、走りの面でいえば、当然のように速くて乗り心地がよく、そして静かでした。だけど、駐車場から出る瞬間に、えっ! と驚くほど小さく曲がったのです。これが4輪操舵の効果です。まるで、一回り小さなクルマを操っているように感じ、狭い道でも安心感がありました。

 そして、3リッター・エンジンとは思えないほど力強い加速にもびっくり。これは、強力な48Vシステムによるモーターアシストに、ターボと電動スーパーチャージャーという、3丁がけのブーストが実現したもの。しかも、直列6気筒エンジンは、とにかくスムーズで気持ちがいいんですね。本来的に1000万円クラスの高級車ですから、「3リッターのエンジンでは力不足かも」と予想していましたが、走ってみれば、十分なパワーがあり、まったくの杞憂でした。

 ハンドリングの応答は、とても穏やか。高速道路でのどっしりとした安定感も流石のもの。これも4輪操舵がよい仕事をしている証拠です。全体としては、パワーをひけらかさずに、ゆったりとクルージングしたくなるような大人しいキャラクターです。これなら、ドイツの速度無制限のアウトバーンを200㎞/h以上で走り続けても、疲れは最小限で済むことでしょう。

 さらに前走車に追従するACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)などの先進運転支援システムも、最新のものを搭載。今回の新型Sクラスでは、世界初となる後席左右リアエアバッグも採用されています。また、後席のシートベルトは、ベルト自体にエアバッグを内蔵。安心・安全のバックアップも最高レベルと言えるでしょう。

 高級感という面でも、驚きが数多く用意されていました。まず、ドアノブが埋没式で、ドライバーが近づくと飛び出てくるギミックが採用されています。縦型の大型センターディスプレーも、これまでのメルセデス・ベンツにはないもの。また、室内のアンビエントライトも先代のLED光源40個から247個(ロングボディーは263個)と強烈に増えています。ARナビやジェスチャー操作、指紋認証など、インフォテイメントシステムの進化も着実。“最新の~”と呼ぶようなシステムが、これでもか! というほどの勢いで採用されているのです。これまでの成功にアグラをかくことなく、常に最新のトレンドをフォローして、さらに先に行こうとするどん欲な姿勢です。

 一方で、そうした最新アイテムを数多く採用しつつも、インテリア・デザインにはシンプルでクリーンな印象を抱かせるのも、すごさでしょう。ウッドパネルとメタル、レザーを組み合わせた室内は豪華なだけでなく、洗練さも感じさせてくれます。

【まとめ】名実共にSクラスは高級車
安全に速く安心して目的地にたどり着ける

 試乗を終えてみて思うのは、「やっぱりSクラスは特別だな」ということ。デザインでも機能でも、とにかく最高で最新のものが揃っていたのです。しかし、重要なのは、走るという点では、とても落ち着きと安心感にあふれており、安全性にも非常に気を使っています。クルマの根っこの部分では、ものすごく保守的です。でも、見える部分や快適性という点では、最新のものをちゅうちょなく採用しています。こちらは先進そのもの。中は保守的で、表は先進的。この二面性がSクラスを世界でナンバー1の高級車にする理由ではないでしょうか。この新型で「最新のラグジュアリーを再定義した」と豪語するのも納得です。強気の発言と、それを納得させてしまう力こそが、メルセデス・ベンツとSクラスが世界一の理由なのではないでしょうか。

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筆者紹介:鈴木ケンイチ

 

 1966年9月15日生まれ。茨城県出身。国学院大学卒。大学卒業後に一般誌/女性誌/PR誌/書籍を制作する編集プロダクションに勤務。28歳で独立。徐々に自動車関連のフィールドへ。2003年にJAF公式戦ワンメイクレース(マツダ・ロードスター・パーティレース)に参戦。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。見えにくい、エンジニアリングやコンセプト、魅力などを“分かりやすく”“深く”説明することをモットーにする。

 最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。毎月1回のSA/PAの食べ歩き取材を10年ほど継続中。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 自動車技術会会員 環境社会検定試験(ECO検定)。


 
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