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あのクルマに乗りたい! 話題のクルマ試乗レポ第103回

MT仕様の「N-ONE RS」は街乗りでも楽しいMT初心者向けスポーツカーだ!

文●栗原祥光(@yosh_kurihara) モデル●美環(@puritendon) 編集●ASCII

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誰もがMTってイイね! と思える絶妙な仕上がり

走行するN-ONE

 出足はかなり軽くトルクフル。軽自動車は鈍ガメ、という時代は過去の話です。それは先代も同じ。そのまますぐに2速、すぐ3速、そして4速……とシフトアップするのですが、これがショートストロークでカチッとした手ごたえ。これが新しいRSのMTモデルにある走行面での最大の魅力。この「シフトを入れる気持ちよさ」「クルマを操っている」という感に慣れてしまうと、ATではやや物足りなく感じることでしょう。

 S660と同じくクロスレシオなので、街乗りでは左手と左足が大忙し。CIVIC TYPE Rなら、都市部の街乗りは3速程度なのですが、N-ONEでは4速まで当たり前。街乗りでギアチェンジが多いと大抵は「もうメンドクサイなぁ」と思ってしまうのですが、シフトショックが少なく、クラッチペダルもS660ほど重くもなく、ですがN-VANほど軽くもない絶妙な仕上がりためか苦にはならず。むしろ積極的に操作したい気にさせてくれます。このチューニングの上手さ、さすがクルマ好き企業Hondaのクルマです。

 オートブレーキホールドを使った坂道発進は、失敗絶無のらくちん発進。しかもアクセルを煽らなくても、クラッチをつなげればスルスルっと動き出しますから、MTの運転が初めての方でも安心です。

 乗り味も、前作のN-ONEとはまったく異なる質感。どこかフラフラした安定性に欠き、段差でもポンポンする「軽自動車だなぁ」という印象はなく、落ち着きが増して上質な印象。そしてS660に似た、交差点を曲がるだけでも楽しいと思わせる爽快感。軽自動車の楽しいところって、ワインディングだけでなく、普段の道でもクルマの運転を存分に味あわせてくれるところ。こういうのって大事ですよね。

アダプティブクルーズのコントロールボタン

 高速道路では横風が強い場所を除いて、安定してクルージングできるのも特筆すべきところ。さらに自動運転レベル2を搭載しているのもポイント。MTでアダプティブクルーズとは一体? という感を最初受けたのですが、6速ホールドで前走車に近づくと、回転数が下がってドキドキ。ですが、案外粘ってくれますし、必要あればギアを落とせば問題ナシです。渋滞で完全停止状態から発進、というイマドキ機能がないのは仕方ないのですが、MTでアダプティブクルーズって何? と疑ってゴメンナサイ。

 N-ONEのすべてに乗ったわけではありませんが、都市部の渋滞でもラクラクなN-ONE RSは、ひょっとしたらベストバイN-ONEかも!? これは誰もが楽しめる1台と断言します!

MT運転免許取得後、初めての公道運転に挑戦

N-ONE RS(MT)と美環さん

 さて。そんな誰もが楽しめるN-ONE RS(MT)。そこで昨年MT免許を取得した美環さんに乗ってもらいました! MT車に乗るのは教習所以来のこと。さらに、N-ONEについての印象も聞きました。

「丸いヘッドライトが好み」と美環さん

ヘッドライト外周部のポジションランプはウインカー機能も兼ねている

 丸っこいクルマが好きという美環さん。それは優しい印象を受けるからなのだとか。ですのでN-ONEは「可愛いです! いいですね」と好印象。「小さくて丸っこくて可愛い」とツボに入ったご様子です。

運転席に座る美環さん

ドライバーズシートの様子

ハンドル周りの様子。かなりスポーティな印象だ

 ちょこんと運転席へ座る美環さん。インテリアもしっかりチェックします。「シートの手触りがとてもイイですね」とご満悦。オレンジ色の差し色も気に入られているご様子。

USBは3系統用意。運転席側に3個用意する車種は珍しい

スマホ置き場も用意されていた

 USB端子もしっかりチェック。驚きの3系統に「おぉ! 凄いですね」と、早速自分の携帯電話を接続して充電開始。レセプタクル群の下にはスマホ収納スペースも用意されているところに「これは便利」と笑顔を見せます。

アルミ・ヘアライン仕上げ調のダッシュボード。助手席側には小物入れも用意されている

 そしてダッシュボードの造形に「これはアルミですかね? こういうのは初めてみました。面白い!」とペタペタ触ると、ひんやりとした質感。

N-ONE RSの後席

サイドシルは低く乗降性は良好

後席にすわる美環さん

後席側に設けられたスマホホルダー

後席座面を上げて収納としても使うことができる

 続いて後席をチェック。「床面がフラットで席移動しやすいですね!」とニコニコ。よく見ると、センターコンソール付近にスマホホルダーみたいなものが。「モバイルバッテリーとかを置いておくのにイイかもですね!」と目ざとくチェック。後席座面はFITのように跳ね上げることができ、収納スペースとしても使うことができます。

N-ONEのリア

エンブレムが黒色でカッコイイ

バックドアを開けたところ

リアシートを倒した様子

後席を倒すと広い空間が現れる

 気になるラゲッジスペースもチェック。「結構広いですね!」後席を倒すと、完全ではないのですがフラットになるのもイイところ。横になって寝るのは難しいですが、乗っても足が延ばせる広さです。たとえば海辺で、バックドアを開いてボンヤリするとかいいかも。

運転する美環さん

MT初心者でもエンストなしで運転できた!

 それでは、初めての公道へ。その前にエンジンをかけようとするのですが、クラッチを踏みながら……ということをスッカリ忘れている美環さん。

 1速を入れて半クラッチ。エンストせずに発進し、そのまま10km/hごとにシフトアップする美環さん。おっかなびっくりしながら走行をします。まずは交通量がほとんどない直線道路で練習。

シフト操作をする美環さん

 当初、エンストしたり、ガクガクしたりといったことを期待したのですがスムーズに走ります。さらに走行中は「1速に入れて……2速に入れて……3速に入れて……」という独り言しか発さず、密かにテープレコーダーをまわしていたのですが、あとで聞こえるのはエンジン音のみ。ネタになるトラブルもなければ感想もないと、原稿のネタに困るのですが……。

運転する美環さん

 こうして約2時間ほどMTを体験した美環さん。「慣れるまで時間がかかりそうです。半クラッチがつながるポイントがよくわからなかった。街で乗るのはいまだ怖いですね。今はATの方がいいかなぁ」という素直な感想でした。

N-ONEのペダルまわり

 MTこそ至高、MT好きにさせる、というのは無理強いというものです。初めてのMT操作でエンストせずに走れた、というのは凄いことではありませんか。一度乗って「もう二度と乗りたくない!」というトラウマなことはないようなので、その点でもN-ONE RSのMTは初心者に優しい1台といえそう。それが確認できたことが、今回の試乗取材で得られた有益なことです。

夕暮れの中を走るN-ONE RS

 クルマの脱酸素化の流れもあり、今後モーター駆動のクルマが増えることが予想されます。Hondaは以前、ハイブリッド車のMT仕様を出したことがありますが、その後続いていないことや、モーター駆動そのものにトランスミッションは必要ないことから、いつしかMT車は絶滅するのでは? と思ってしまいます。N-ONE RSは同車のMTモデルを新車購入できるラストチャンスなのかもしれません。

将来、MTはなくなってしまうのか!?

 乗り出し250万円ほどでMTが楽しめるN-ONE RS。2シーターで収納がほとんどないS660に二の足を踏まれた方も、N-ONEなら食指が動くかもしれません。毎日の運転にちょっとした刺激を与えてくれるN-ONE RS、一度チェックしてみてください。

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