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あのクルマに乗りたい! 話題のクルマ試乗レポ第100回

燃料電池自動車のトヨタ・新型「MIRAI」は車格が上がってゴージャスになった

文●松永和浩 モデル●生田ちむ(@1224Chimu7)編集●ASCII

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水素で走る「MIRAI」は未来ではなく現実の乗り物

 2020年12月9日に発売が開始された水素を使った燃料電池車であるトヨタの新型「MIRAI」。初代MIRAI(なんと全日本ラリー出場マシン!)は2016年1月にASCII.jpでもレポートしていますが(水素自動車でラリー! 全日本ラリーに参戦したトヨタ・MIRAIに乗った!)、2代目にあたる新型は初代に比べるとかなり車格が向上していて初代とつながるデザイン的な要素がまったくなく、燃料電池車であることを除けば別のクルマになりました。

 わかりやすく言えば初代MIRAIはプリウスの車格、新型MIRAIはクラウンに相当する車格となっています。新型MIRAIを作るにあたっての骨格ともいえるプラットフォームが、新型ではTNGA GA-Lプラットフォームのナローバージョンとされ、このプラットフォーム自体は現行のS22型クラウンと共通のものとなっています。

 初代のプリウスクラスから新型のクラウンクラスに車格が向上し、なおかつ内外装はクラウンクラスに準じているにもかかわらず、車両価格はベーシックなグレードでは初代より13万円も安い710万からという価格設定。これに国からの補助金が140万円給付されるので車両本体価格は570万円となり、クラウンで言えば2.5リッターハイブリッドのRSアドバンスと同等程度の価格となります。この車格でこの価格設定であれば、水素ステーションが身近にある地域では十分に選択肢として入ってくるでしょう。

 デザインで燃料電池車の新しさを見せようとした初代とはうって変わり、グローバルトレンドな4ドアクーペスタイルは本当に質感の高いカッコよさを見せてくれます。また燃料電池車としてのエクステリアデザイン上のポイントはフロントマスクで、一見開口部の広そうなフロントグリルからたくさんの空気を吸い込んでタンク内の水素と燃料電池内で反応させるぞ、という雰囲気を見せてくれます。

 その燃料電池車としての証はフロントフェンダー下部の「FUELCELL」というエンブレムに表れています。

 初代はボンネットの中にはインバーターのみの搭載で燃料電池は床下にあったところを新型では床下に水素タンクを搭載しボンネットの中に燃料電池とインバーターを搭載しています。駆動は後輪駆動となり後席の真下あたり、ガソリン車で言うところのデフギアの場所にモーターが搭載されます。

 ここまででおわかりかとは思いますが燃料電池車の基本的な仕組みは電気自動車と同じで、電気で動くモーターとバッテリーが搭載されており、バッテリーへの充電をコンセントを使った商用電力で行なうか、水素の化学反応で発電した電力で行なうかの違いだけなのです。

 燃料電池車であるMIRAIが水素を燃料とするメリットどこにあるのかといえば、航続距離にほかなりません。ゼロエミッションといわれるクルマの中で、電気自動車は搭載される電池の量がクルマの大きさだけではなく充電する電気の電圧や充電時間に左右されます。日本国内で販売される多くの電気自動車の普通充電と呼ばれるものは200Vの30A充電で、12時間という充電時間により概ね60kwhの充電容量を持ちます。これで走ることのできる距離はカタログ値で約450kmとなります。しかしMIRAIであれば0からの水素充填でも満タンで5分ほど。しかも航続距離はカタログ値で850kmと、電気自動車に比べて極端に短い充填時間で2倍近い航続距離を得ることができます。

 また水素を燃料とするといっても燃料電池内では水素を燃やすわけではなく、タンクに充填した水素と空気中の酸素を燃料電池内で反応させることで水を作り出し、わかりやすく言えばその水を作る際に発生したエネルギーが電気になるのです。そのため、電気自動車は排出物をまったく出しませんが燃料電池車は水を排出します。ですが、燃焼をするわけでも炭素系の何かを使うわけではないので、窒素酸化物や二酸化炭素を排出することはありません。

 MIRAIのボンネットを開けてみると、センターにFUELCELLと書かれたカバーの下にインバーターと燃料電池が搭載されます。その周りをオレンジのチューブに包まれた高圧電線が張り巡らされます。この高圧電線により燃料電池から充電用電池や走行用モーターに電力が送られます。走行用モーターはかなりパワフルな3KMという型式のモーターで出力134kw、馬力表示で182馬力となります。また最大トルクは300N.mで、3リッタークラスのガソリンエンジンとほぼ同じ数値ですがこの最大トルクをゼロ発進から発揮するため体感では5リッターV8エンジンに匹敵するトルク感をもたらします。このモーターは路線バスとして2018年から導入されているトヨタのSORAと同じもので、満員乗車でも坂道を駆け上るパワフルさをそのまま乗用車に詰め込んだものだと考えると、とんでもないクルマであると言えます。

 そんなMIRAIを、日本レースクイーン大賞3年連続受賞というとんでもない偉業を成し遂げたレースクイーンの生田ちむさんとともに見ていきましょう。

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