SUVならではの広くて実用的な車内空間
後席が広く快適なのがSUVのよいところ。もちろんキャプチャーも広くて快適で、足元もかなり広々。実はホイールベースが伸長しているそうで、その分が後席の快適性につながっているとのこと。さらに後席用にエアコン送風口のほか、USBレセプタクルを2系統用意されています。誰もがスマホを持つ時代、うれしいところでしょう。
驚きはラゲッジスペース。その容量はなんと536リットルと圧倒的! ちなみに日産キックスが423リットル、トヨタのヤリスクロスが390リットル、HondaのVEZELも393リットルですので、ほかに比べて100リットル以上も確保しているキャプチャーは、BセグメントSUVのトップクラスと言ってもよいでしょう。
さらに床面が上下に仕切り板を設けた2階建てで、下側にも収納できるのも美質。トドメがなんと後席全体を動かすことができること! シートを前に動かし、さらにシートバックを倒せばさらなる大容量が確保できます。このシートの稼働も、後席側からはもちろんのこと、ラゲッジ側からもできます。この使い勝手のよさ、まさにUtility Vehicleです!
しなやかな足回りで運動性能も良し
エンジンをかけると、後方から微かに低く轟くエキゾースト音。この瞬間から期待に胸を膨らませてしまいます。そしてアクセルを踏んだ時から、その期待は確信に変わります。ハイブリッドユニット搭載のBセグSUVとは明らかに異なるフィーリング。タコメーター、速度計が高揚感を表すかのように、踏めば踏むほど気持ちよいではありませんか。ですが「手に負えない」というほどのパワーはないので、誰もが、一般道でも高速道でもアクセルを踏んで楽しめる、そんなフィールに仕上げられています。さらにCVTではなくDCTですので、エンジン回転と速度の上がり方がとても自然。国産車にはない、これらのフィールが輸入車の魅力だったりします。
最近はガソリンエンジン車で振動がハンドルに伝わったり、また室内にエンジン音が盛大に聞こえるクルマは少なくなりました。キャプチャーもその意味においては、EVほどではないものの適度に静か。でありながら、踏めば低いターボ音が聞こえる演出。実に心憎いではありませんか。
逸品なのが足。これが実にしなやかで、よく動く印象。フランス車といえば猫足という言葉を思い浮かぶ方は多いかと思います。猫足という表現は、もともと日本人ジャーナリストがプジョーの足回りを例えた言葉ですので、ルノーに当てはめるのはどうなのかなと思いつつ、あえて言わせてもらいます。このキャプチャーは、実にしなやかな猫足です。
グッドイヤー製のタイヤが路面の細かな凹凸を丁寧にマスクし、大きな衝撃は素晴らしいサスペンションによって柔らかく吸収。高い剛性を感じさせるボディーと相まって、実に見事な乗り味なのです。加速時はググっとお尻が沈んで進みますし、ブレーキをかければスーッとノーズがダイブ。フロントに過重がかかっているのがわかります。でありながら、横方向のロールは適度に抑制され、コーナーリングで不快感は皆無。しっかりしたステアフィールとともに終始頬が緩みっぱなし。
と、諸手を上げて絶賛するのも……なので、重箱の隅を突いてみたいと思います。ルーテシアと同様、ルノー車としては初めてブレーキオートホールド機能が搭載されたのですが、これを解除する際、そこそこアクセルを踏まないと解除されないのです。使わない人にはどうでもいい話ですが、あれば使いたくなる自分としては気になりました。
では、自動運転レベル2も試してみましょう。アライアンスを組む日産のプロパイロットと同じかな? と思っていたのですが、どうやら異なるようで、ボタンは数多くあり、操作はやや煩雑。そもそも輸入車の多くはクルーズコントロールが左手側にあるので、慣れないうちは戸惑います。ですが起動すれば、レーンセンタリング機能はかなり優秀で、介入感もほどよい印象。全車追従は最短にした時は、他メーカーより若干ですが車間距離が長めのように感じました。もちろんちゃんと追従しました。
【まとめ】ハイオク専用が気にならなければ
乗って楽しい、便利なクルマ
どこか洒脱でラテン的な楽しさがルノー車の魅力。それは日本車にはない良さだと思います。オシャレなボディーにオシャレな室内。好きな音楽を心地よく聴きながら、素晴らしい走りが楽しめる。それが日本車のハイブリッド仕様車とほぼ同じ価格というのですから、ベストバイと言わずして何と言いましょう。
ただ、キャプチャーはハイオク専用車で、そこが気になる人もいるでしょう。なにせ走りがイイから、思わず踏んでしまって、ガソリン代が大変なことに……。さらにハイブリット車ではありませんので、最近のクルマに慣れた目からすると、なおさら驚くかも。ですが、もしかしたらEVにシフトしていくというご時世的に今回のキャプチャーがルノーにとって「最後の純ガソリンエンジン搭載SUV」になるかもしれません。そう考えると、今しか得られないフランスの官能を前に、多少のことは目をつむってもいいかもしれません。
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