ステアリング切っただけ曲がるクラウンの衝撃!
中国でのノックダウン生産や香港への輸出はありましたが2代目以降のクラウンは国内専用車という立場を貫いてきました。グローバルはレクサスに任せるという施策で、クラウンは100km/hという制限速度の中での乗り心地や快適性、運動性能を追求してきたために「ゆるい、切れ味が悪い」などという評価を浴びせられることになります。
これまで味わったことのあるクラウンではステアリングを切ってから少しボディーがアウト側に傾いて、その傾きによってタイヤがグリップして曲がっていく感覚でした。なのでステアリング操作から数テンポ遅れて曲がり始め、とてもコーナーリングを楽しむというものではありません。13代目をチューニングしたクラウンにも乗ったことがありますが、ボディー剛性が足りないところへバネレートの高いスプリングと減衰力の高いショックアブソーバー、つまり固い足回りを無理やりつけているので乗り心地が悪い。サスペンションセッティングをいくら頑張っても、ボディーがゆるければ効果が薄いということになります。
しかし、この15代目のクラウンはプラットフォームを新世代のTNGAとし、硬くて軽いボディーを得ることでサスペンションが正確に動き、ボディーが大きく傾くことなくタイヤに荷重がかかり、路面をガッチリ掴んでいきます。ステアリングを回した分だけクラウンは感覚的に狙った方向に向きを変えていき、その時の姿勢変化も軽微。この「感覚的に」という部分は非常に優れていて、様々な電子デバイスで無理やり狙ったラインにクルマを載せていくというものではなく、コーナーに対してオーバースピードでなければ「このラインをとりたいな」と思いながらステアリングを切ると本当にスッと鼻先がその方向に向いてくれるのです。
15代目クラウンは剛性を徹底的に高めたボディーにより、サスペンション設定を根本から見直したことで、本当の意味での乗り心地と運動性能の両立が可能となった初めてのクラウンと言えます。高速道路の制限速度が120km/h時代を迎えた今、ユーザー層の若返りをはたすためにはグローバルなベースラインとしての性能や機能が必要で、それをやり遂げ大きく変革したということなのです。
セダンとクーペのクロスオーバー
15代目クラウンのスタイルはそれまでのクラウンと大きく変わった部分があります。それはサイドウィンドウをCピラーにも設けたシックスライトウィンドウとし、なおかつリアクォーターを流れるように傾斜させたクーペルックとしたところです。
おりしもヨーロッパ系ミドルサイズセダンは4ドアクーペブーム全盛期で、クラウンもその流れに乗ることで若々しさを得ようとしています。もともと4ドアクーペは1980年代後期から90年代初頭という日本のバブル経済期にトヨタが「カリーナED」や「カローラセレス」などで展開したスタイルで、2010年代にセダン市場が成熟したヨーロッパで積極的に取り入れられるようになったスタイルであり、今4ドアクーペを採用することは30代には目新しく50代には懐かしというダブルの効果を生むこととなりました。なのでクラウンにステータスを求める40~50代にも意外と受け入れられやすいスタイルだったのです。
このスタイルをとりながらもリアシートでの頭上スペースはかなりのもので、クラウンが伝統的に持っているフォーマルサルーンとしての特性も十分に発揮できているということになります。
4910mmの全長と2920mmというホイールベースによってごまかされやすいのですが、実は全高が1455mmとわりと高く、その分室内高も十分に確保できているのです。またホイールベースの長さのおかげで足元もかなり広い。2920mmというホイールベースは7人乗りのミニバンにも匹敵する長さで、それを5人乗りのセダンに割り当てているのですから狭いわけがないのです。
もちろんトランクもかなり広く確保されています。クラウンには伝統的に4人分のゴルフバッグを積むという課題があるため、90リットルクラスのスーツケースであっても2つは余裕で積めるのです。
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります
この連載の記事
- 第652回
自動車
【驚愕】遺体は法律上「物」扱い!? 霊柩車が普通免許で運転できる意外すぎる理由 - 第651回
自動車
【ランクル250と何が違う?】約500万円高いレクサス「GX550」に乗ってわかった“価格差の正体” - 第650回
自動車
限定70台! トヨタ紡織が本気で作った「クラウンのシート型デスクチェア」が快適すぎて仕事にならない! - 第649回
自動車
マツダが電撃発表! ロードスターに待望の新色と特別仕様車が追加も「ディーラーで聞いて」 - 第648回
自動車
【衝撃価格】190万円台から狙える中古のレクサス「NX」をガチで推したい4つの理由 - 第647回
自動車
電池ゼロでも実燃費25km/L! トヨタ「ハリアーPHEV」の重厚な走りとコスパがエグすぎた - 第646回
自動車
バイクと軽自動車のいいとこ取り! 1kmが4円で走れる街乗り最強EV「トヨタ コムス」のヤバすぎる実力 - 第645回
自動車
スペックがバグレベル! 1027N・mの超トルクを誇るアウディの最新EVがガチで凄すぎた件 - 第644回
自動車
打倒アルファードの大本命! 日産復活の狼煙、新型「エルグランド」が示す高級ミニバンの最適解 - 第643回
自動車
絶滅危惧種の4座オープン「メルセデスAMG CLE53」は実用性と怒涛の加速を両立!
この記事の編集者は以下の記事もオススメしています
自動車
トヨタ・クラウン専門店がオープンしたけど、売れているのかをアイドルと調査してきた自動車
トヨタ「クラウン」の水素モデルを展示! 篠原ともえさんと水素の未来を考える自動車
大幅変更に舵を切ったクラウンだが上質感や乗り心地は「いつかはクラウン」のまま!自動車
クラウンにスポーツSUVがラインナップ! 2023年度内にセダンやエステートも発売予定自動車
生産開始されたばかりの新型クラウン(クロスオーバー)をほんのちょっと街乗り!トピックス
新型クラウンに、パナソニック製新世代ワイヤレス充電器を採用自動車
売れまくっているトヨタのコンパクトSUV「ライズ」 その魅力はサイズ感にアリ!自動車
あのクルマに乗りたい! 話題のクルマ試乗レポ






