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あのクルマに乗りたい! 話題のクルマ試乗レポ 第52回

24時間レースで勝ったクラウンは運動性能と居住性をバランスさせた高級セダン

2020年10月22日 12時00分更新

文● 松永和浩 モデル●中村比菜(@mu_nakamu127) 編集●ASCII

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乗り心地の良さはクラウンならでは

 先にリアシートを紹介してしまいましたが、運転席と助手席のフロントシートも極上の乗り心地です。

 シート地は座面と背面がブランノープというスウェード調の表皮で、サイドやヘッドレストが高機能合成皮革。合成皮革は今や通気性や耐摩耗性などが本革よりも優れているため、本革の滑りやすさを嫌う層にはかなり好評とのこと。本革に高級感を見出している方々のためにはオプション設定も用意されています。

 また助手席の乗員がシート設定をいじったまま、たとえばリクライニングを倒したまま降りてしまった場合でも、運転席からシート設定を直せるスイッチ類なども装備しています。エアコンの吹き出し口は自動で左右にフィンを振ります。かなり細かい部分ですが、そういう気配りもクラウンの伝統と言えます。

 最近はフル液晶で液晶画面に針式のメーターを表示することが多いメーターパネルですが、クラウンは視認性の良さからアナログ式のメーターを採用しています。また、フロントウインドウに速度やナビ画面を映すポップアップディスプレイも装備。ルームミラーはカメラ式のデジタルミラーを採用し、乗員の有無にかかわらず視認性の確保をしています。

 この15代目クラウンは現在のトヨタの新車が装備するディスプレイオーディオなどコネクテッドカーというコンセプトを初めて具現化させたクルマとして、そしてトヨタのフラッグシップカーとしての意気込みを感じさせます。

 試乗車は2.5リッターのハイブリッドでしたが、なんとパドルシフトを装備! スポーティーな走行も存分に楽しめます。

 安全装備も今トヨタが持っているシステムのすべてが搭載されています。フロントグリルはその安全装備のセンサー類やレーダー類が埋め込まれた重要な部分となっています。

【まとめ】感覚的な速さと乗り心地の共存が
クラウンの本質かもしれない

 15代目クラウンには、300馬力超えのパフォーマンスを誇る3.5リッターハイブリッド、軽快なレスポンスの2リッターターボ、そして燃費のバランスなど総合力に優れる2.5リッターターボの3種類のパワーユニットがあり、それぞれの個性を発揮しています。

 どのパワーユニットを選んでも、TNGAプラットフォームのボディーがガッチリと受け止めてくれるので安心して運転でき、かつ積極的に攻めた走り方もリラックスした走り方もできるという懐の広さを見せています。攻めた走りではドライバーの感覚に忠実にクルマが反応してくれるので感覚的な速さを得られ、乗り心地の良さから助手席やリアシートの乗員は本当にリラックスして乗れます。この二律背反する部分を伝統的に追求し、リラックスの部分はほぼ完成を見せたことで感覚的な速さの完成を志したといえる15代目クラウン。本当にボディーの良さが次世代の国産車を感じさせる1台です。

 すでに登場から2年を経ているので、そろそろマイナーチェンジの話も出てきそうな15代目クラウンは、中古車を狙ってみるのもアリでしょう。実際、このTNGAボディーのクラウンは中古車となってもヘタることはそうそうないのではないかと思われます。

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