最新パーツ性能チェック 第53回
【最新パーツ性能チェックVol.53】
Spiderの“4本の脚”となる「RADEON HD 3800」シリーズはゲーム環境をどう変える?
2007年11月24日 23時00分更新
Call of Duty 4:Modern Warfare
題材を第二次世界大戦から現代戦に移したCall of Dutyシリーズの最新作「Call of Duty 4:Modern Warfare」でのテストも行なってみた。先日発売されたばかりの最新作だけあって、人物や背景のモデリングやテクスチャの書き込み等は従来作を凌駕する。DirectX10完全対応ではないが、画面の作り込み度は高く、高いGPUパワーが必要になる。
テストの設定は「アンチエイリアス&異方性フィルタリング無し」(設定A)の状態と、ゲーム側設定で「4Xアンチエイリアス&異方性フィルタリング最大」(設定B)の状態の2パターンを用意した。テクスチャの設定は全て「Extra」にしている。また、テスト時点でのゲーム側のベンチ機能には不具合があったため、今回のテストではフレームレートを測定するツール「FLAPS」を導入し、Act1の「The bog」(デモ版1面と同じ)の冒頭シーンで計測している。
まず、「4Xアンチエイリアス&異方性フィルタリング最大」時における「HD 3850」の性能の落ち込みぶりが非常に激しい点に注目。256MBという少ないビデオメモリがアンチエイリアス処理などの足を引っ張っているようだ。以降のテストでも明らかになるが、「HD 3850」は“それなりの解像度・それなりの画質”でゲームを快適に楽しむためのGPUと位置づけることができる。
また、「3DMark06」では優位に立っていた「HD 2900XT」が、このテストでは「HD 3870」に負けているという点にも目を向けておきたい。単純な動作クロックの差だけではなく、最適化されたメモリコントローラーの効果も無視できない存在になっていると思われる。
Crysis
次はDirectX10世代のキラータイトルとして注目されている「Crysis」。本体とセットになっているGPU向けのベンチをそのまま利用した。テクスチャの細かさ等の画質はプリセットでLow~Very Highまであるが、Very Highにすると異常に重くなったため、1段下の「High」を設定Aとした。さらに設定AにCrysis側で「4Xアンチエイリアス」を追加したものを設定Bとしている。
なお、「8800GT」では1600x1200ピクセル以上の解像度へ設定が反映されないという不具合に遭遇したため結果は1つしかない。一方、「HD 3850」は1920x1200ピクセル設定では描画がほぼ止まってしまったため、テストを取りやめている。
ここでも「HD 2900XT」を「HD 3870」が僅差で退けるという結果が得られたが、それ以上に驚異的なのは「HD 3870」と「HD 3850」の露骨なパフォーマンス差だろう。解像度設定が高くなるほど差が開く、ということはビデオメモリに対する依存度が非常に高いということの証だが、まさかここまでとは……という印象すらある。
ただし、この検証の前に入手したβ版ドライバでは、「8800GT」と同じように解像度設定がうまくいかなかった。先の極端な性能差は「HD 3800」シリーズ用のドライバの成熟度の問題という側面も否定できないため、今後のゲームおよびドライバ両面の熟成に期待したい。
LOST PLANET EXTREME CONDITON
設定は、「アンチエイリアス無し&4X異方性フィルタリング」「Furの品質無し」「他の設定:“高”」にした設定Aと、これをベースに「4Xアンチエイリアス&16X異方性フィルタリング」「Furの品質&影の品質:DX10」「他の設定:“高”」を追加した設定Bを用意した。なお、このテストのみ画面解像度は16:10のものからチョイスしている。
設定Aでの全体的な傾向は3DMark06と似たものとなった。GPU内のメモリバスの太い「HD 2900XT」が「HD 3870」を下し、さらにその上を安定性の強い「8800GT」が行くという傾向だ。
また、設定Bでは「HD 3850」の高負荷時における弱さが非常によく表れている。アンチエイリアス等を使って楽しむリッチな環境が欲しいなら「HD 3870」がベターな選択のようだ。
(次ページへ続く)
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